アングレン
アングレンは首都タシケントから2時間程度で行ける。
アングレンは石炭鉱山の街である。元々小さな村だったものが第二次世界大戦中に石炭の開発が始まり1946年に市としてつくられた。
現在ウズベキスタンで最も石炭生産が盛んであり、露天鉱とそこを走る鉄道がある。
鉱山について
Узбекские угольщики обещают выдать на-гора 6 млн тонн угля – Новости Узбекистана сегодня: nuz.uz
「鉱床の開発は 1940 年から 1943 年に始まりました。6つの地雷を敷設する地下工法。炭鉱の建設は 1941 年に始まりました。」(翻訳で生成)
1948年に操業を開始したとのこと。
2020年の年間生産量は370万トンであり、3年で年間600万トンを目指しているそうだ。
ウズベキスタンには3か所鉱山があり、アングレンのほかは
- Шаргуньское (ドウシャンベにほど近いShargun市)
- Байсунское ボイスンスコエ (テルメズ方面)
アングレンはこれら2つより突出して生産が多い。
「ウズベキスタンで採掘される石炭の 85% は、アングレンの露天掘り」である。
会社
AO «Узбекуголь» ウズベコールという有限責任会社(AO) だ。
「JSC「ウズベクゴル」の法的地位は、2004 年 6 月 21 日付のウズベキスタン共和国閣僚会議令第 290 号 (読み取り) に基づいて設立され、共同株式協会「石炭」の変革を通じて確立されました。 1994 年に生産協会「Sredazugol」MUP ソ連に基づいて作成されました。」
とのことだ。会社についてのページにはウズベキスタンの石炭について書かれているので興味があれば必読。
地図
アングレンの鉱山は、その殆どが工場敷地内となっており、外から撮影できる場所は少ない。
アングレン炭鉱 →2012年のレポートによると、無許可で鉱山内に入っている人も居るのだが、それをキタイスキーがやるのはかなり厳しいと思う。
筆者が行った限り、
- ダーチャ横から露天鉱が見える場所
- ダーチャ内を何かの工場へ行く線路
- 大俯瞰
②は1日1往復が来るのみで数が少ないと思う。(1往復に加えてゲテモノは来たが..)
1日目
撮影地(1)
撮影地(1)の露天鉱が直接見えるところへ向かった。
ここは午後順光のため、まずは下見程度であったが、これはミリタリーシュピオンと言われても仕方ない(ぴえん顔)。
ゲテモノがやってきた。
背後の激山は、午前中で工場が排煙を撒き散らす前で霞んでおらず、このタイミングでELが来たら凄まじいVである。
出来ればELが良かったんですが。とブツブツ文句を言いつつ、よく見てみると
脱線した貨車がある。今日は電気機関車は来ないだろう。
撮影地(3) 大俯瞰
撮影地(1)は今日は脱線のため、バスで次へと移動する。
丘の上の大俯瞰に行ってみた。ナンバリングの順序がずれるが、③の地点となる。
バスで近くの村まで行って歩いて10分ほど。
こちらは、通報のリスクはほぼなく、露天鉱の全てを見渡せる。
まずはヤー?みたいなところ。何台かの凸型と左手にTEM2みたいなのが居る。
奥を見ると2台の機関車が見える。
筆者が見る限り、見渡せる範囲で、凸型EL11機は居た。(ヤードに2両、ヤード近くに1両、正面に2両、右手に3両、左手に1両、川を挟んで南側に2両 とかだったはず)
工場が遠くにあるのだが、排煙が汚すぎる。
午後になると、排煙が風向きの変化でこちらに流れてきて、バリ晴れにもかかわらず HAZE (もや)のようになった。排煙が山を霞ませていく。
撮影地(2)
工場の排煙で空が汚くなってきたのでホテルに帰宅することにしたが、国道と引き込み線がクロスする所にてバスからPE2Uが見えた。慌てて下車。
暫く待つと、ELがやってきた。
ここは下り勾配だからなのかパンタを落としてくれた… もう200m東へ行けば再加速時にパンタが上がったので痛恨のミス。仕方ない。
レールギャラリ―に登録されてない謎の個体だが、おそらくドニプロ製。
2日目
この日はELが順光で撮れると思われる13:30頃 撮影地(1)に行った。
地元の子供が5人ほど居たが、うち一人が話しかけてきた。
日本から来て旅行していると言っても特にツッコミもしなかった。(我ながら旅行者が鉱山を盗撮はおかしくね?)
他にも大人が話しかけてきたが、彼も全然咎める感じではない。
復旧作業真っ最中で、路盤を固めているようだ。
TEM2Uが200メートルほどヤードよりにに止まっていたが、ゲテモノと作業員がある区間の路盤を固め終わると、次の区間へバラストをホッパー車みたいなのから下していた。
TEM2U 075もRailGalleryに登録されていない…
ホッパー車からジャリが流し込まれた後、ゲテモノが再度やってきて固める作業をする。
列車と一緒に映っている巨大なショベルカーは ЭКГ-8ус UZGO製マイニングキャタピラー電動ショベル
УЗГО Орск. Уральский завод горного оборудования ООО
「ウズゴ」というオルスク(ロシア)にある会社の製品だそうだ。
ずっと居ると怪しまれるので14時半ごろ撤退。撮影地(2)に行って時間を潰した。(そりゃショベルカーなんか撮ってるから怪しいだろ!)
しかし撮影地(2)においても2日連続で行ったからか、オッサンに話しかけられた。昨日居た事がバレてたようだ。通報はされなかった。
露天鉱激山撮影地優勝
16時ごろ再度撮影地(1)に行ってみた。
駄目だろうけど一応程度の気持ちで行ってみただけだった。
ああああああああっ!!!!!!!
14時半ごろまだ工事中であり、諦めた撮影地に電機が止まっているではないか!!!!!!
まだ復旧作業員が線路上を歩いていてすぐに動き出さなかった。
待つこと30か40分。
ありがとうございました。
夕光線 激山 鉱山 電機。
アングレンで、これ以上良いカットを撮れるとは思えない。
車番はПЭ2У-034 となっているが、ロシアのウラル地方で既に廃車になっている車体と同じであり、番号が狂っている可能性が高い。ロシア-ウラル山脈のものはドニプロ製とのこと。
ウズベキスタン アングレンの鉱山鉄道
ПЭ2У-034はドニプロ製で、かつてスヴェルドロフスク州、ウラル山脈の鉱山で活躍していた。
前日には貨車が脱線していたが、奇跡的なタイミングで復旧が完了。天山山脈の最西部であるチャトカル山脈を背に夕日を浴びて走る。 pic.twitter.com/zHWSLfKxAw— 石器時代 (@NsaYamamoto) March 6, 2023
このツイートの「元ウラル」はガセです。ごめんなさい。
レールギャラリ―1位取りました
ПЭ2У-034 — Photo — RailGallery
Contest results for 08.03.2023 — RailGallery
3月8日のランキングで、1位を取りました。
自分でもかなり良くできた写真だと思ったが、自己満だけではなく露鉄にも認められてよかった。
アングレンおすすめのホテル
アングレンで多分最安のホテル。労働者向けらしく、フロントには常に会社の作業着のオッサンがいる。トラックの荷台を旅客にした人間輸送車が停まっていたりする。
個室1泊100.000スム(1200円) 外国人料金なし
Wifi あるがしょっちゅう途切れる。
この値段で個室に泊れるのは、物価が安いウズベキスタンといえどもほぼ無い。
そもそも外国人料金が設定されていない宿というのはウズベキスタンでかなり珍しい。
朝食は、オバサンによっては無料、200円取られた時もあるが、有料の時は厚いベーコンが2枚ついたのでまぁよし。
おわりに
アルマリクGMKと比べると、明らかにこちらのほうがリスクが高いように感じた。
レールギャラリーでもほぼ作例が無いのは頷ける。
しかし露天鉱の中を直接ダーチャ街から撮れるのは素晴らしかった。
人生であれ以上良い鉱山カットは二度と撮れないと思う。
鉱石を運ぶ列車もさることながら、剥き出しの露天鉱、巨大なショベルカーといった産業機械など、写真を見返すと中々凄いシーンが多く今自分で見ても迫力あると思う。
というかこれじゃあ産業シュピオンである…
なお、鉱山作業員、復旧作業員は確実にこっちを見てくるので、「ゴーリィ!!クラシーヴィ!!(山が奇麗だ)」とか「プリローディがうんたらかんたら(自然が~~)」と大声で言って、不審者でないアピールをしよう。
他のウズベキスタン鉱山鉄道
かなり安全に撮れるアルマリクGMK
ウズベキスタン、タシケント郊外のアルマリク(O'lmaliq)はソ連時代に創設された鉱業都市
非鉄金属を産する露天鉱と精錬工場の間を、鉱石を満載した貨物列車が行き交います
牽引するのは主にПЭ2型機関車で、ソ連時代にウクライナのドニえプロペトロフスクで製造されたもの#ウズベキスタンレンタカー pic.twitter.com/suX0eGu5lM— 露水設計局 ОКБ имени М. Лушуя@樺太庁陸地測量部 (@Rail900) February 27, 2023
鉱山鉄道。隣の国カザフスタン
参考