立山黒部アルペンルート
立山黒部アルペンルートをご存知だろうか。
日本の有名観光地なのでヤポニツ、ヤポンカなら誰でも知っていると思うが、経済的結びつきがなさそうな富山→長野を、わざわざ通過する必要のない山奥を突っ切る観光路線である。
値段は全てがぼったくりだ。
今回筆者は山頂郵便局狙いで訪問した。そのため、沿線の美しい景観には一切興味がない。海外放浪のために金貯めてるので、可能ならゼロ円で行きたい。
繰り返すが、全線乗りたいわけではないので、立山(富山)か扇沢(長野)から往復すればいい。
山頂郵便局は「室堂」にあるので、立山から往復するのが最も安い。
- 立山 室堂 往復 8180円
- 扇沢 室堂 往復 13700円
アルペンルートは20kmで4000円がいかにボッタクリかわかる。
トロリー区間やケーブル区間が高額だとしても、私営だろうしメンテナンス費用がかかるのは分かる。
納得行かないのは、高原バス区間は公道なので保守コストは自治体に丸投げでかかってないはずなのに、値段がボッタクリなことだ。腐敗(カラプツィア)である。
そんな Corrupted な奴らに払ってやる金はないのだ!(こじつけ(思想強))
途中に料金所はあるが大型バスとはいえ通行料金が5000円は行かないと思う。40人乗り✕3000円で12万円。運転士の片道人件費が時給4000円としても90%の利益率は詐欺ではないだろうか?
売上に季節差があるとはいえ Overpricing.(金取りすぎ)
歩けば半額なのでは?
筆者はEaster jetで茨城仁川の1254kmを4000円で飛んだことがあるので、たった20kmに4000払うのは馬鹿げている。(コスパ60倍悪い!)
しかも、下りの値段が半額とかならまだしも、どう考えてもエネルギー消費が少ない下りも同じ値段だ。
上りはバスに乗り、下りは歩けば良いのである!
そもそも普通のバスが走ってる程度の山なので人間が歩けないわけがないのだ。
節約効果の高さ
先述したが東急電鉄は20kmが290円だ。
仮に東急電鉄で4000円分節約するためには、4000÷290=13.7倍の距離、つまり274kmも歩かなければならない!274km歩くのは無理である。
つまり、アルペンルートで20km歩いておけば、東京で274km分無料で電車で乗ることができるのだ!
アルペンルートを徒歩で下山することが、賢人の選択であるかがご理解いただけるはずだ。もしかして俺ってソクラテス?(絶対違うだろ)
ヤマップで称名滝から日帰り往復したとの証言
こちらの証言によると、称名滝から徒歩で往復したらしい。距離は31kmで、所要時間は8:26である。
称名滝スタートなので距離は短い。
とはいえ、日帰りで上り+下りをやった先例があるので、下りのみなら簡単に決まっているのだ!
歩くアルペンルート
歩くアルペンルートを歩こう!~立山の魅力~その1 立山駅から美女平
歩くアルペンルートと検索するといくつか出てくる。中部地方環境事務所という役所が言っているのでちゃんとした登山道に違いない。
とある人から、「20km 標高差2000mを歩くなんて鉄人ですね!」と言われた。しかし下山だけ徒歩なら簡単に決まっている!
というわけで行った。
立山山頂簡易郵便局
立山山頂簡易郵便局はこんな感じだった。
ホテル立山が委託事業者?らしく、初老のオッサンが外国人に対し、英語で対応しているのは印象的だった。ホテル立山の職員は(発音はともかく)聞き取れるレベルでまともな外国語で話しているのは素晴らしいと思う。
関東の郵便局員だと、平気で日本語で話したりと、教育水準の低さをパカザッチしてくれる。幼卒かな?
筆者はたった63円切手2枚を購入し2つの消印を依頼した。さらに領収書まで要求する迷惑客としてご利用した。
ここにはもう一生行かなくていいから喜ばしい。
下山開始
用事は済んだので歩き始めた。
地図
行った所だいたいこんな感じだった。
とりあえずスタートする。
高原バスは盆による増発のため、普段は走らない旧型のバスも投入しているようだが、俺はバスマニアではないのでわからない。
カメラはAPS-Cのズーム最大55mmくらいだし。
“立入禁止”の地獄谷への道が有る。行こうと思えば、作業員っぽいツナギでも来ていけば行けると思うが、
風向きが変わっただけで本当にむせたので、本当に有毒な気がする。俺は行きたくない。
しばらく歩くと木道が崩壊していた。まぁこの程度は仕方ないだろう。
上級者向けの岩場
滑りやすく、鎖を掴まないと安全を確保できない谷がある。手前は階段状だが、奥の黒く見えない部分は急な崖となっている。とても「ハイキング」気分で行ける道ではない。
自分は、ルーマニアのデカトロンで買ったトレッキングシューズもどき(スニーカーの丈をちょっと高くした程度)で来てしまった。少なくとも1万円前後するマトモな靴で来るべきだ。
笹に覆われ道路が見えない
こんなん絶望だろ…
この状態がずっと続いたらオシマイだが、3〜5分程度歩いたら草刈りされた状態になったので良かった。
草刈りした痕跡。親切だ。
というかほぼ誰も使っていない道路の笹を草刈りしているのは驚きだ。もしほっといたら森林限界以上の全ての区間がこうなってると思う。
後述するが全区間で6人しかすれ違っていない。
木道が相当傾斜しており足首を痛めそう
ここは崩落しているので、土の上を歩くだけだが、
写真奥のようにかなり右に傾斜している木道がある。そこまで斜めだと足首がギリギリ痛くなりかけた。筆者はギリギ30歳なのでひねることはなかった。もう少し加齢した場合、怪我すると思う。
しかし歩いても歩いても全然距離が伸びない。まだ13km残っている。(写真から推測するに大体そんな感じ)
冷静に考えたら、1日で20kmも歩くことなんて普段無いし、山頂周辺を5kmほど散策したので既に体力を使った後なのだ。
途中なんかすごいきれいな沢があった。
わけわからん木のトンネルに入る。ジブリかよ。
唐突な閉鎖区間
全く事前情報なく閉鎖している道路があった。
手書きの地図のように、僕は必ずしも称名滝経由で行く必要はない。アルペンルート通りに行くことは可能なので、僕は問題ないが、称名滝に車を止めて登ろうとした人は下で悲しい気持ちになるだろう。
事前情報なしでいきなりとは、よくわからん海外でいきなり閉鎖されてた博物館みたいな風情が有る。(は?)
木は凄い
普段ほとんど見れないような巨大杉がある。
説明看板によると樹齢1000年らしい。
屋久島がオーバーツーリズムオワコン化し、ロープで囲まれて触れないらしいが、立山では触り放題。
他人が全然居ないので独り占めできるし、屋久島より安く来れるので、でかい杉を見たいならこっちのほうが良いと思う。
さっきの杉を見た後なので細く見えるが、これらの杉も相当な太さだ。
道沿いの説明看板によると、極相林だそうだ。
立山モノレール(1)
途中、歩道に砂利を敷くための工事のために作られたモノレールがあった。
日本のどうでもいい小ネタでシコるのが好きな鉄ヲタには一見の価値が有るだろう。
ほら!モノレールだぞ!
火炎スギ。名前の理由はわからないが炎のようにウネウネしているからと推測できる。
美女平の先は超急坂
美女平〜立山は一気に坂が急になる。
この区間を逆方向に登るのはかなり疲れると思う。
当区間の途中にまた工事用小さいモノレールがあった。
事前情報との差異
- ヤマップの称名滝から往復8h →絶対ムリです。ゴリラが投稿したんじゃないの?
- 歩くアルペンルート → 間違ってはいないが、登山中級以上レベル。素人は要検討。
- バスが走れるんだから人間にも余裕 → バスは20km走れるが、人間は20km普通は歩かない。
歩くアルペンルートメリット
- 水はきれい
- 人生は冒険や!という人には笹で覆われた道は冒険感がある
- バスに乗ってるだけではスルーしてしまう自然を間近で見れる
- 特に巨大杉は凄いので体力がある人なら歩くのはオススメ
記憶の限り5人か6人しかすれ違わなかったのに、草刈りが一応してあるのは称賛できる。こんな利用率なら登山道ごと閉鎖してもおかしくないというのに。
デメリット
- 4000円ケチって死んだら意味ない (ワイは死んでもいいけど一般論として) 4000円で命買うべき。
- 道中、滑落しかねない箇所かある。登山をしょっちゅうやってる人なら大したこと無いが、ディズニーランド感覚で来ている普通の観光客が行ったら普通に落っこちると思われる。
- 20km歩くのは普通に難しすぎる。
まとめ
エジプトに例えるなら普通のアルペンルートはピラミッド、歩くアルペンルートは製糖ナローみたいなものだ。
ほとんどの人が目にせず、8000円払って通過してしまう場所を、ほぼ独り占め感覚で見れるのは逆張りオタクとしては結構良かった。
ただし、体力にまぁまぁ自身が有る人向けだ。それ以外は要検討したほうが良いと思う。
おまけ 観光
最後になるが、頂上で一応観光した。午前中は天気が良く、素晴らしかった。
下山時は全て小雨だった。
南米の1/5以下のスケールだと思うがヤポンの中ではかなり”雄大”なんじゃないだろうか。
立入禁止の地獄谷
地獄谷は立入禁止となっている。
どうせ日本人の事なかれ主義だろうと思ったが、ある時風向きが変わって火山ガスが来た。むせて咳出たので本当に危険だと思う。
大量のテント。こんな人口密集地帯では自然よりも他人を感じられる気がするが、一体何が面白いんだろうか。
筆者の見解では、日帰りで帰るのが賢明だ。
山頂郵便局のある建物。
おわり!
徒歩でアルペンルート突破してみてください!