セルゲイ=ソ連スキーです。
RZD乗り潰し。といいたい所ですが、
そもそもロシア国鉄を全線乗ろうとしたところで、JTB時刻表みたいに体系的にキロ数が纏められているのも(僕が知る限り)無さそうなので調べるのは困難です。ロシア自体そういう情報を公開したくなさそうな国です。また、広大な国土は三角形の短絡線を作りまくり、一々短絡線乗るのは無理じゃね。
そんなわけでRZD乗り潰は無理なので沿海州- Primorsky karai乗り潰し第3弾です。
沿海州はEU寄りのロシアと比べて圧倒的に路線密度が低いので簡単に乗り潰しが出来るでしょう。
第2弾は以下。
沿海州の旅客営業がある地図はこんな感じ。今回はこの中の右下方向、パルチザンスクを通りナホトカ、終端のムィス アスタフィエヴァ Мыс Астафьева を乗り潰します。
時刻表
樺太庁陸地測量部さんのダイヤを参考にしています。本当にありがとうございます。
RZD公式でも見られます。
チーハアケアンスカヤまでは1日5往復、うち1本は長距離夜行列車です。
チーハアケアンスカヤからムィス アスタフィエヴァ間は1日2往復にまで減ってしまいます。日本でこんな路線があったらマニアがわーわー言う所ですが、ロシアで1日2本もあれば乗車難易度はたいした難しさではないでしょう。
時刻表はJR東海も真っ青な乗り継ぎの悪いダイヤを設定しています。乗継時間が5時間なんてのもあります。その最悪な乗り継ぎ設定のためにウラジオストクから日帰りで行けません。
夜の列車でウラジオストクに戻りたいならパルチザンスク Партизанск 始発の早朝の列車に乗る必要があります。朝ウラジオストクから出る場合はパルチザンスク Партизанск までしか戻れません。
今回私はパルチザンスク近くの宿に泊まり、始発でムィス アスタフィエヴァを目指します。
宿泊
パルチザンスクの2駅隣のラゾーヴィにめっけもんの個室ホテルがあったのでそこへ宿泊。ナホトカに安い宿が見つからず、苦肉の策でここに宿泊しました。
その苦肉の策は予期しない感動をもたらしました。この宿はムィス アスタフィエヴァ駅の往復をするよりもよっぽど面白かったです。廃墟併設の謎の多い宿で、ベッドや便所はまるで収容所。かなりキまった宿でした。
往復する
名残惜しいホテルで7兆泊くらいしたいところですが早起きをしてムィス アスタフィエヴァ駅に向かいます。
早朝のラゾーヴィ駅 Лазовый 6時10分発 列車番号6484 薄暗い夜明の中からやってきました。
新車かよ。
ソ連製チカは相当運が良くないと来ません。EU走っているディセロシリーズとイメージが被ります。せっかくロシアに来てつまらない列車に乗せられるとは屈辱的ですが文句を言っても仕方ありません。
車両は2018年製。2年前に来ておけばボロだったのかな。文句を言っても仕方ないので、青色の新しい綺麗な椅子に座ります。
ロシアの普通列車は3列+3列。ラゾーヴィ出発時点で各ボックスに1~2人ずつくらい乗車しています。思ったより乗客は多いです。
JR北海道のように、本数が少ない=客が少ない。ではなく大陸の人たちは限定された時間の列車をうまく利用しています。
とはいっても満席ではないので、3席を使ってぶっ倒れて寝ている人が多く居ます。
ナホトカ市街地まではロシアらしい原野を走っていきます。ロシアの洗われていない車窓から。ナホトカ付近は海が近いからか、早朝時間帯は霧に覆われています。ぼんやりとした景色が良いですね。
ラゾーヴィから40分でナホトカ駅に到着。駅名はナホトカ駅ですが市街地の東端です。駅前は栄えていません。ナホトカを観光したいならここで降車しない方が良いでしょう。仮に間違って降りてしまっても市街地までバスは頻繁に走っています。
ナホトカ駅から終点までは21kmの間に13駅、1~2kmおきに駅があます。ナホトカの市街地区間で駅が多いんでしょうが、ロシア国鉄でここまで駅間が短いのは珍しいです。トラムレベルです。
それなら列車の本数を多くすればよいのに特にそういうサービスはなくチーハアケアンスカヤまでは1日5本、それ以降は2本です。
Бархатная バルハトナナヤ駅。ナホトカの市街地に最も近い駅です。
奥の駅舎の駅名は、ナホトカ駅を押しています。街に近いからですかね。
Тихоокеанская
ハバロフスクへ行き来する特急の終着駅、チーハアケアンスカヤを通過します。ここから1日2本の過疎区間です。
左手に港の景色が見えます。前回ウラジオストクで乗りつぶしたムィスチュルキンの港湾よりも、そこまで密集していない感じでした。貨物量はウラジオストクの方が多いのかもしれません。
ナホトカから30分。ムィス アスタフィエヴァに着きました。
場所はここ。
この駅はgooglemap にプロットされていません。
7時32分着、7時50分発。18分間あるので駅を散策します。
駅から通りに出てみます。
周囲は只の住宅街で変わった物はありません。よくあるロシア式長方形集合住宅とお店があります。お店っぽいのはわかるんですが、早朝だからかまだ閉まっていました。街はまだ朝の霧に包まれています。
私が滞在している間、折返しの列車に乗るためにぱらぱらと人がやって来ます。思っていたよりは利用客は居る感じ。
乗り潰しは完了しました。
ウラジオストクに戻ります。とその前に折角なのでナホトカの街を観光してみました。
ナホトカ展望台
ナホトカは有名な港町です。博物館もありますが、そこまで時間はないので展望台に上るだけしてみました。
展望台はお勧めです。ゼロ円で入れます。
展望台から見る町並みは結構良いです。
俯瞰で貨物が行き来するシーンを見れます。
展望台には先程の十字架の記念塔の他に、ソ連的なモニュメントとソ連的な彫像があります。
彫像はナホトカの海を見つめています。
モスク
この展望台へ行く道の途中にモスクがあります。ちょっとそこを覗いてみようとしたら、丁度礼拝の時間の直前で多くのムスリムが集まってきました。その中に日本語ができる人が居たので、彼に連れられて礼拝を見ていました。
大した信仰のない僕はすげーなーと思いながら見ていました。
急ぐ旅でもないので最後まで見ていた所、礼拝の後食事があるらしく、誘われました。
さっきカフェでサンドイッチを食べたばかりでしたが誘われたので、誘われたら断らない日本人。ムスリムパンとか果物を談笑しつつ食べました。ムスリムパンって何だよ
ところで、
イケてるベンチャー経営者や自己啓発系奴で「1秒も無駄にしてはいけない!タクシーは作業時間!」とかイケイケで言っている人居ますよね。
礼拝ってはっきりいって凄い時間の無駄だと思います。
でも「1秒1分を無駄にしないベンチャー経営者」とか「ムダを排除しよう」とかいうIT下請け社畜よりも、熱心に祈っている石油王のムスリムの方が高収入ですし、実際時間を1分1秒無駄にしないってあんま意味ないと思います。大事なのは資源です。
時間について考えるだけアホです。
乗りつぶしなんて時間の無駄をした僕は言います。
おわりに
アスタフィエヴァ駅周辺は特に見所はありません。乗り潰しの為だけに往復するのにはもってこいです。物好きな方はロシア国鉄乗り潰しの旅を楽しんでみてください。
私はもう1回行ったので、わざわざ2回は行かないと思います笑
ナホトカ自体はちょっとした観光地で見どころはあります。そこと併せていくのが良いかもしれませんね。
Партизанск Находка
Владивосток
RZD RZhD РЖД