ラトビア 年一回営業の臨時駅 Aglona駅 に行ってきた【乗車記】

 

 

ラトビア国鉄全線乗車は難易度が高い。

週2本運行の駅が2か所(liepaja, indra)、週3本が1か所あり(gulbene)、おおむね金曜から日曜に集中しているし、1か所は野宿確定である。

 

しかし、ラトビアで最難関の路線は年1回しか来ないAglona駅だろう。

この路線は全線乗車最難関だけでなく、実は帝政ロシア時代からある由緒ある路線なのだ。

 

Aglona駅

 

カトリックの有名教会の祭典が8/14と8/15に開かれる。

この駅がJR四国の臨時駅のように駅だけ営業ならまだいいのだが、この路線自体が旅客列車は年1度しか営業しない

そのため8/14か8/15に来ないと、ラトビア国鉄全線完乗できないのだ!

 

Additional buses and a train will run in Aglona for the holiday

 

路線自体は普段は貨物専用として使われており、線路状態は良かった。

 

歴史

 

当路線はラトビアの中でも最も歴史が古い(か、2番目くらい)そうだ。

 

  • ペテルブルグ-ワルシャワ鉄道は1852年に開始した。
  • Ostrov – Ritupe – Daugavpils は 8 Nov 1860に開業した。

リガのRZD鉄道博物館の展示より翻訳

現在では内陸で微妙な場所にある単線区間だが St.P  -Walsawの当時の最重要路線なのだ。

リガ鉄道歴史博物館の展示より

 

アグロナ教会について

 

1700年にドミニコ会の教父によって設立。毎年8/14,15に聖霊降臨祭が開かれる。

Aglonā norisinās Vissvētākās Jaunavas Marijas debesīs uzņemšanas svētki

Aglona

 

時刻表

 

リガの駅に臨時列車の時刻表が貼られていた。

8/14に行きの列車、8/15か帰宅列車だ。

  • Riga 14:01 → Aglona 17:41 所要時間3時間40分
  • Aglona 16:30 → Riga 20:30 所要時間 4時間

途中駅をかなり飛ばすので速い。

 

実際に乗ってみた

 

8/14の列車で行って、どこかで1泊し帰っても良かったのだが、そもそも僕がこの列車の存在に気づいたのは8/14の夜だったため、やむなく8/15に決行した。

 

リガからダウガヴプリスへ

 

まず最寄りのダウガヴプリスへ行き、そこからバスでAglona駅へ向かう。

紫いろの路線のkrustpilsから南へ折れるものだ。

 

ダウガヴプリス駅でまさかの撮影禁止

 

右側のDR1は今回の臨時駅用の列車でダウガヴプリスで夜間停泊していた。ここから回送でAglonaへ向かい、その後リガへ行く。

DR1が2両並ぶのは、この年1回なのではないだろうか。

 

 

と撮影していると警備員がやってきて、ロシア語で話しかけてきたと思ったら、撮影禁止との事。

駅の窓に紙が貼ってあり、書いてあるからしょうがないよね、と言っていた。

まぁ確かにそうなんだけど、ロシアでも駅撮りできるのにラトビアの糞田舎で撮影禁止かよ!

 

なお女を撮るとか、スマホ撮りは良いとの事。

無茶苦茶だな。(キモヲタなので彼女いるわけねぇ)

「以前フランス人も撮ろうとしてて、hobbyっていうけど何で何か分からない」と言っていた。お前が分からないからって何でも規制するな!

 

 

バスタ

 

バスターミナルでAglona駅の近くのバス停行きのバスを確認。これで安心できる。

窓口でAglonaへのチケットを購入。しかしこの伝え間違えで僕の400円は虚無となった。

 

悲劇 バスで誤発見で2.64ユーロがゴミに

 

バスターミナルの窓口で発券したのはAglonasへのチケットだった。

 

地図

 

Aglonas の町と Aglona駅は9~10km離れており、Aglona駅の近くの国道のバス停を通るバスは、Aglonas町行きではない。Aglonas行きは途中で東に分岐する。

 

バスの運転手に見せた所、さっき買った券は使えないとのこと。

諦めて、Aglonas pagrieziensを通るバスに2.4ユーロ払った。前ドアで運転手から買うから無券の客はいないはずだが、途中のバス停で抜き打ちチェックがあった。ヨーロッパはあなどれない。

 

誤って発券したAglonas町に行っても、列車の時間に合わせて輸送バスが出る。まずカトリック教会を見て、一般巡礼客と同様に輸送バスに乗っても良いかと一瞬思ったが、大体キリスト教徒でもない僕がイベント時に行っても作法は分からずアウェー感を味わうだけだ。また、駅舎や車両をゆっくり撮影したかったので、鉄ヲタを優先することにした。

 

Aglona 駅

 

2.6ユーロをドブに捨てつつ、目的の駅に到着。

田舎の小駅といった感じで、とにかく長閑だ。

タンク車が泊まっている。線路の輝きをみると結構光っており旅客は年1回だが貨物は走っているのが分かる。

 

かつての貨物積み込み用の屋根があり、それが放棄されているのは日本と変わらない。

トイレは工事現場であるような簡易のものが置いてあった。

 

撮り鉄

 

まず回送列車を撮影した。

僕が来た15日のダイヤだとどうしても逆光になってしまう。昨日(14日)に来て、折り返しのダウガヴピリスへの回送を撮るなら順光で撮れる。

 

 

駅にいる年1回の列車

 

列車内はすでにちゃんとした用途で乗っている巡礼者たちが居た。こちらの記事によるとバスが列車の時間に合わせて走るとあるので、それに乗ってきたのだろう。

 

発車まで時間が無いが、急いで試しにドアを開けてみた所、待合室が開いていた。

1年放置したら廃墟みたいになってるはずなので、このためだけに掃除をしたのだろうか。

こんなちゃんとした待合室があるので、昔は旅客が頻繁に来たのを伺わせ、哀愁がある。

 

乗り鉄

 

16時半出発。

車掌に聞いた所、やはり1年に1度とのこと。

車内は比較的年齢が高そうな、女性が多かった。

巡礼者のおばさんが話しかけてきたので僕は何か雑談した。写真に写ってる人だ。

宗教を聞かれたのでブディストと答えた気がする。なんでこの列車乗ってるんだ僕は。

 

ダウガヴプリス駅以降は、巡礼とは関係なく単にリガまで行きたい普通の客が多く乗車してきた。

僕と話した巡礼者のおばさんはいつのまにか降りて行った。

たしか電化区間が始まるAizkraukle駅だったと思う。

 

20:30

列車は4時間でリガに到着した。

 

 

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