トルコ ギャザンテップ地震日記 2023.02【旅行記】

 

 

トルコ 地震

 

旅の記録として残ってたのを放置していて、あまり便乗して目立つみたいなのはしたくなくてお蔵入りにしようと思ったが、せっかくなので公開する。

 

2023年、2/6にトルコ南部で巨大地震が発生した。

そこで筆者はギリギリ被災地の範囲内に居合わせてしまった。場所はアダナだ。

 

被害

 

2023 Turkey–Syria earthquake – Wikipedia

投稿日2023年4月8日時点では 57,658 deaths, 121,704 injured とのことだ。

 

Accumulated tension of hundreds of years moved Anatolia by 3m

ワシントン大学のHarold Tobin教授によると

Referring to the information that the Anatolian plate slipped by 3 meters

アナトリア断層が3メートルスリップしたとのことだ

 

信じられないレベルのボロ宿

 

地震当日、僕はアダナに泊まっていた。

 

泊まっていた宿は値段は700円で、トルコでこれ以上安いところは無いと思われるが、いくら底値でもこれはひどい(じゃあ他探せよw)

僕は刑務所に入ったこと無いので知らないが、そこら辺の刑務所より酷いと思う。内装はとてもお見せできない。見返してもこれはひどい…と言いたいレベル。

 

シャワーは多分ない、あっても使いたくないので、最後にシャワーした日から3日目に近くのバーニャに行った。

しかしそのバーニャは600だか800円もするぼったくり価格だったし(多分顔なじみは安い?)

 

深夜4時半くらいに地震で目が覚める

 

体感震度5くらい。

(アダナは実際は日本の震度換算で4程度だったらしい)

このボロビルごとぶっ倒れるんじゃないかと思ったが、生粋のジャップの僕がこの程度の震度で狼狽えることはない。

 

とりあえずまた寝た。

 

 

アダナ国鉄線の切符売場に職員が居ない

 

2/6 朝、来週の切符を買いに行った。

マルシュは通常営業で走ってる。国鉄駅ではなぜか窓口職員がおらず、20分待ったらようやく来た

 

トルコ国鉄は窓口職員削減してんのかよと思ったが、今考えたら地震のせいじゃないの。

英語が話せる青年に、「もっと職員を置くべきだね」と平気で言ってしまったが、今考えたら非常事態に失礼すぎるチャイニーズである。

 

 

メトロ

 

メトロは無賃だった(改札開放)

 

電光掲示板には【Traffic is irregular 】とありダイヤ通りではなかったが、確か10分強待ったら来た。

元々アダナメトロは15分間隔で多くないので困るほどでもなかった。

 

アダナ メトロについての詳細はこちらをどうぞ

トルコ アダナ メトロ 解説 2023 Adana Metro

 

シャッター街

 

昼過ぎ外に出て散歩

外に出てみると、なんかシャッターが閉まっている。

 

ツイッターでは8割といったが、9割以上だと思う。

 

 

This is not right…

 

公共交通は走っていた。

 

ドネル屋でテレビを見ていたところ、

CNNでギャザンダップがえらいことになっているのを見る。この時点では死者はシリアとトルコを合わせて数千だったと思う(5千とか?)

 

 

2日目 (2/7)

 

朝から晴れたのでメトロの撮影地へ行ってみた。

地震後に能天気な奴だ。

 

左が4日前たまたま撮影していた動画

ガチ? 崩落してる

 

撮影地の真横がビル崩落現場なんて人生で最初で最後だろう。最後にしてくれ。

4日前にスマホで動画撮影したスクショが左で、本日撮影は右。

 

半壊している。

 

半旗

 

アダナで有名なモスク

 

この場所以外もほとんど国旗は半旗だ。

 

3日目 (2/8)

 

元々、僕はイスケンデルンから北へ延びるTCDD東芝機関車を撮る予定だった。しかし完全に被災地であるため、諦めた。

別に場所に移動することに。

 

国鉄線無料

 

 

国鉄駅で最後に駅撮りしているとき職員に聞いたところ、この近郊列車は無料だという。

実際無料だった。

 

隣国へ移動

 

どことは言わないが一旦隣国に移動し、心を落ち着けた。

 

ここで一旦日付があく。

 

 

メルシン→エスケシヘル 移動事件 (2/13)

 

地震発生から7日目

2/13日は移動日で、奇遇にも地震当日TCDDで買っておいた長距離列車、新幹線を利用し、メルシン→アダナ→カラマン→エスキシヒルまで移動となっていた。

 

アダナ→エスキシヒルまでの切符の買い方は2種類あった。

  • Konya乗り換え 99TL 141TL 合計240TL
  • Karaman乗り換え81TLと217TL 合計 298TL (今回採用)

カラマン乗り換えは、筆者が降りたことない駅に行けるメリットがあるが、値段が58TL (406円)高い、コンヤ乗り換えは安いが、僕は2019年に行ったことある。僕は同じところに何回も行きたくないので406円払っても未知の駅に行くことにした。これが功を奏した。

 

購入していたのは、Adana 8:00 → Karaman 13:00 , Karaman 16:20 →Eskisehir 19:03 の2枚。

 

現在Mersinにいるので朝に普通列車でアダナ(Adana)まで向かう。

 

メルシンからは朝5時あるいは6時の列車に乗ればAdana→Karamanの間に合う。だが、まさかのウヤ。

メルシン駅で荷物検査員によると普通列車は8時まで無いという。詰んだ。

 

駅舎にはひょっとしたら被災者なのか、寝ている人がいた。

 

アダナ発長距離列車に間に合わない

 

バスでアダナまで行き、8:00の長距離列車に間に合うだろうか?

トルコに行ったことある人なら知っているだろうが、トルコのオトガル(バスターミナル)は街の外縁部にあり、アクセスが悪い。

中央駅から路線バスに乗ってバスターミナルへ向かおうとするが、メルシンの路線バスはgoogle mapに出ず、停留所が良く分からない。

バスターミナルへ行きそうなのに乗ったが、行き先が若干違い、変な所で降りてまた乗り換えた。こういう時に限って上手くいかない。

 

バスターミナルについた時間が7時。鉄道アダナ発が8:00なので、この時点でアダナへ間に合う可能性は消えた。

 

トルコのバスターミナルはカオス

 

バスターミナルまで来たので、残る方法は長距離バスだ。行くとしたら

  • メルシン→エスケシヘル 長距離バス
  • メルシン→イスタンブールへ行ってしまう
  • メルシン→アンカラ→エスケシヘル 長距離バス

 

問題はトルコのバスターミナルはカオス極まりないのだ。

 

Cheap Bus Tickets from Adana to Karaman from EUR 9 – obilet.com

トルコのバスのチケットが出るObilet comでアダナ-カラマンを検索すると、色々な会社が出る。

Ozkaymak
KONTUR
DIYARBAKIR

などである。

イスタンブール-アダナでは

METRO
AS ADANA
ASTOR
MERSIN NUR
UAFA CESUR

バス会社が多すぎて何が何だか分からない。

 

外国人がトルコで困る図

実際バスターミナルでは様々なバス会社がそれぞれ別々に窓口を開設しており、見ているだけで眩暈がするレベルだ。

外国人がトルコのバス会社など知るわけないだろwww

 

現在8時で、例えばある会社の窓口で一番早いバスを頼んだら10時、実は別の会社で9時発があるということが簡単にありえる。1つひとつ聞いて回る必要がある。一発で最適な便を選べない。

ロシアのバスターミナルでは統合されているので簡単だがトルコでは非常に大変だ。

 

長距離バスが満席

 

座席を問い合わせた結果、アンカラやイスタンブールは、満席。おそらく災害から逃げる人だろう。

既に災害発生(2/6)から7日が経過しているのにだ。

 

12時のアンカラ行きは空席があるというが、こんなところで5時間も待ちたくない。(チャージマン研)

 

バスターミナルにも被災者らしき人々が床で寝ていた。

別に被災者が治安を悪くするとは思わないが、そもそも僕は今日優雅に列車の旅をするつもりだった。

高い値段払ってどうでもいいバスの切符を買い、5時間被災者とボケーっと待ち、列車よりは非快適なバスに乗るのはごめんである。

 

 

怒り

 

だんだんムカついてきた。なんで長距離バスごときが当日発券できないのか。

(そりゃ災害だからだろ)

  • バスターミナルが遠い
  • バス会社が多すぎて分からない
  • 満席

 

なぜこんな思いをしてまでバスに乗らなければならないのか。

 

 

マルシュ乗り継ぎでカラマンへ

 

マルシュでカラマンまで行けば、カラマン→エスケシヘルの新幹線に乗ることができる。

天才かな?

「ムカついてきた」というのは本当でカラマンまでヒッチハイクで行こうとしていたのだが、メルシンの町外れでヒッチしてたら普通にマルシュが走ってきた。

 

結局マルシュを乗り継いで移動することができた。

メルシンの筆者が知らない場所から発車したマルシュは、途中乗車可能であり、まずSilifke へ行く

Silifke → Mut 。

Mutという山間の村は、城塞などもあるが観光する暇もなくKaramanへ。

山間の景色は、2019年にグルジアのバツミからトルコの東のKarsまでマルシュで行った景色と似ていて懐かしかった。

 

Mut →karaman (カラマン)へ。

 

Karaman 16:25→ Eskisehir 19:03

HT65009 型

Karaman → Istanbul の新幹線に無事間に合ったのでした。

 

Mersin → Karaman は 223km を3時間24分、自動車でかかる(マルシュの場合は加えて乗り継ぎ時間)

Karaman → エスケシヒル は 450km を2時間38分で結んでいる。

 

新幹線の速さは凄いな。

 

イスケンデルンは普通 ようやく被災地で無い地域へ。

 

イスケンデルンでは中心通りは人々が歩き回って原宿のような賑わい。そこをトラムが突っ切っていて、LRT形式といえども良い風景だった。

日常があった。

僕は編成写真を撮りに行ったので、繁華街の人々がいる姿を撮っていなかった。ともかくイスケンデルンでは街はいつも通りだ。

 

RIAによると

トルコは 7 日間の全国的な服喪を宣言し、災害の影響を受けた 10 の州で 3 か月間緊急事態が宣言されました。

とのころで、エスケシヘルは被災州に含まれない。

 

一応反省点

 

災害時の移動って大変ですね。(他人事)

 

本来は災害が起きたらとっとと(バスチケットが消える前に)遠ざかるべきだと思う。けど僕は慌てるのが嫌いだ。

今回のようにマルシュ乗り継ぎで結局何とかなってしまうため、今後も本来そうするべきみたいな理想論の行動はしないと思う(肩をすくめて開き直り)

 

トルコの公共交通について

 

市バス無料、メトロ無料、国鉄近郊線無料と、災害時のトルコは、公共交通に関しては対応が良い。

あの規模の災害では当然か。

 

だが普通電車を急にウヤはやめてくれ…

 

おわりに

 

旅行中に将軍殺害に対する抗議デモが始まったり、旅行中になんか戦争が始まったりしたことはあるのだが、天災は初めてだ。

抗議デモや戦争(しかも自分が仕掛けた側)では、鉄道が止まることはない。

 

だが今回、天災の場合被写体が運休している可能性が高い。

レンタカーで被災地方面へ突っ込んでいくのはいくらなんでもアホすぎる(しかも救助のためじゃないし)なので撮り鉄はやめました。

 

仮に走っているという情報が手に入ってたら行ってた気がするが、トルコ語の現地鉄情報の手に入れ方が分からなくてよかった。

 

 

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