ブルガリア国鉄 夜行列車をまとめた【運行系統図/機関車/客車】

 

 

イントロダクション

 

どうもNSZ山本です。

 

ブルガリアをご存知ですか。

ブルガリアは東欧に位置します。旧ソ連の国のひとつです

東は黒海、北はルーマニアに面しています。

 

ブルガリアでは有り難いことにまだ高速鉄道の整備は行われていません。

長距離列車や、夜行列車はまだ近代化していません。

写真のような、20世紀じみた光景が日々全土で繰り広げられています。

長距離列車は車歴30超えのショコダ製電気機関車、あるいは1970年代のCCCP(ソビエト)製の機関車を使っています。ショコダがメインで、ソビエト製はレアですが走ってます。

2018年の時点では近代化されておらず古い機関車しか運用してませんでした。

 

その実情は次の章で詳しく記述します

 

2019では実は入れ替えてたとか言ったらごめんなさい。私の知る限りБДЖでそういうニュースは耳にしてません。

 

短距離列車はシーメンス社が欧州中にバラまいたディセロシリーズという普通の列車になってしまいました。

僕はこいつをヨーロッパの701系と呼んで忌避しています(ガチキレ)

このシリーズは、ディーゼル、電車、1階建て、2階建てと様々なバージョンがあって面白いことは面白いです。

 

ディセロシリーズの運転国は

オーストリア、チェコ、ドイツ、ギリシア、デンマーク、ハンガリー、マレーシア、ルーマニア、ロシア、イギリス、スロベニア、アメリカ、ベルギーに渡ります。

欧州どころか全世界だった。

ブルガリア国内では10系という形式名だとのこと

Diesel train station BDZ series 10.00

 

東欧まで来てこんな車両に乗りたくないんじゃ(わがままなヲタク)

ブルガリアの途中駅には田沢の廃車置き場みたいに、かつてのソ連カーは安らかに眠っています。

 

 

….

というわけで普通列車は省きます。

今回は夜行列車の系統図をまとめて紹介します。

今回の記事は個人的研究です。書きたかっただけなんや。

 

ブルガリア国鉄に乗りに行くときに役立ててください。

またはいつかブルガリアの夜行列車が全廃された時に役に立つと思います。長い目で見たら。

 

ブルガリア国鉄:БДЖ

 

HOME BZD/EN -ブルガリア国鉄公式

Bulgarian State Railways -wikipedia en

Български държавни железници wikpediaブルガリア

ブルガリア国鉄は1885年に設立しました。

従業員数は17807人

総延長は4070km(2012)

 

歴史

初電化は1963年、ソフィアからプロヴディフです。

 

歴史的に興味深いのはブルガリア国内初の複線区間は1964年、黒海沿の街VarnaからSindeというところ。

バルカン半島内陸のソフィアよりも、海上強い国会の方が輸送増強の必要が高かったと考えられます。

2002年に鉄道部門(Bulgarian State Railways EAD)とインフラ部門(Railway Infrastructure National Company)に分離しました。

 

現状のインフラはかなりひどいと言われている

 

China steams to the rescue for Bulgaria’s creaking railways

 

■弱いインフラ

According to a 2015 Boston Consulting Group study, Bulgarian trains have the worst quality and safety record among 25 European countries surveyed.

→ボストンコンサルティンググループによると

欧州25カ国中、ブルガリアは最悪の品質と安全性です。

 

2016年12月にはガス貨物列車が転覆し6人死亡、12人以上が怪我。

 

■借金はひどい。

The BDZ is saddled with debts of €240m, hindering investment and renovation

→ブルガリア国鉄は2.4億ユーロの借金を抱えてます。

 

■ハイパー遅いらしい。

The 440-kilometre trip from Sofia to Varna on the Black Sea takes eight hours – and that’s on the so-called “express train”.

ソフィアヴァルナ間440kmを8時間かけて走ります。平均55km/hです。それはいわゆる急行列車が。

 

//

Wikipediaによると1990年から2005年にかけて、利用者が67%減少。これ強力なライバルである道路のためです。

 

 

首都ソフィアの中央駅。

いきなりソ連みあふれるディテールの彫像が、駅前に君臨して出迎えてくれます。

 

 

上の記事で挙げられたように、

大赤字からの設備投資ができない状態が、ボロい車両を使い倒す原因にもなっていることでしょう。

 

皮肉にもブルガリア国鉄の良くない財務状況、旧式で故障の危険が高い車輌。

それらはブルガリア国鉄をより魅力的にしています。

ほんとごめんなさい!でも好きなの。ボロいのが。

上記のニュースでは散々に言われていますが、私が乗車したときはそこまで酷くない印象でした。

遅延もそこまで無かったし。ちゃんと走ってるときはちゃんと走ってます。

上の記事読んだとき、そこまで酷くなくね?と私は思いました。(あくまで個人の感想です)

安心してください。ちゃんと走るから。

 

 

夜行運転系統図

 

ブルガリア国鉄走る夜行列車を地図にまとめました。

 

下り上りの色分けになっています。

 

出典はブルガリア国鉄公式発行の時刻表です。2017年12月10日から2018年12月08日までのもの

1年前なので参考程度に。

所要時間も記しておきました。全てソフィア発下り各方面のものです。

 

< id=”read31″>国内線

 

БВ2627/БВ2626

СОФИЯ – ВАРНА (ソフィア-ヴァルナ)

所要時間:7時間45分 /距離543км

 

БВ9647/БВ9646

СОФИЯ – СИЛИСТРА(ソフィア-シリストラ)

所要時間:11時間 /611км /平均時速55.5

※ソフィア行きは2626と併結、シリストラ行きは全て単独運転

 

БВ3637 БВ3636

СОФИЯ – ВАРНА (カルロホ経由(真ん中の線))

所要時間:8時間45分 /514км

 

БВ2637 БВ2636

СОФИЯ – ДОБРИЧ(ソフィア-ドブリチ)

までБВ3637 БВ3636と併結

所要時間:9時間45分 / 557км

列車番号のみ変更、普通列車化で直通

КПВ28223 КПВ28220

ДОБРИЧ – Кардам (ドブリチ-カルダム)

所要時間:1時間3分 /38км

 

БВ8627 БВ8626

СОФИЯ – БУРГАС(ソフィア-ブルガス)

所要時間:6時間6分 /450км

 

БВ8637 БВ8636

ПЛОВДИВ – ВАРНА(プロヴディフ-ヴァルナ)

所要時間:6時間6分/ 390км

 

国際線

МБВ1493 МБВ1492

СОФИЯ – ISTANBUL (トルコ イスタンブール)

夏季運転

所要時間:9時間25分

 

БВ493 БВ494 БВ492

СОФИЯ – ISTANBUL 

夏季以外(МБВ1493 МБВ1492が運転しない時に運転)

ソフィア行き494,492はПЛОВДИВ(プロヴディフ)で列番変更。(実際には乗り換え無し)

イスタンブール行きは列版変更なし

МБВ1461 МБВ1460

СОФИЯ – THESSALONIKI (ギリシア テッサロニキ)

夏のみ

所要時間:6時間40分

 

私のお勧めはプロブディフ発ヴァルナ行きの夜行です。

首都を通っていないこともありあまり人が乗っていません。後述します。

 

 

機関車

List of bdz locomotives -wikipedia

 

ブルガリア国鉄で活躍している機関車たちです。

ドイツからの乗り入れ貨物列車では比較的新しいドイツの機関車がそのまま乗り入れてきますが、

BDZ所有のものは全く近代化されていません。壁崩壊前の車ばかり。

 

 

ソ連時代の機関車がバリバリ現役で走っています。

会社はSkoda works というチェコスロバキアの機械メーカーで東欧ではメジャーです。

現在ではトラムの製造をしています。

自動車部門のショコダオートはかつてはショコダのものでしたが、2000年にVWに完全に所有される形になりました。

 

 

 

丸目がとてもキュートです。

Locomotives BDZ series 44 and 45

邦訳:ブルガリア国鉄シリーズ44 ,45

という機関車です。

これは1975-1983にショコダワークスで製造されました。これで一応最高速度130кмらしい。製造当初はまだしも今やったら空中分解しそう。

 

この機関車のウィキペディア完全にブルガリア語以外がなくて検索めっちゃきつかったぞ白目

 

1982年製。

右端、下から二段目をよくみると1982という数字が見えると思います。読みにくくてすまない。

 

 

Locomotives BDZ series 46,000

こちらは1986-1987にルーマニアで製造された46000系という機関車。2年のみ製造、全世界で45両のみという変わり種です。

Electropoutereというルーマニアの車両製作所の製造というのも珍しい。

日中の急行で走ってました。

 

純粋ソビエトカー

Locomotives BDZ series 07.000

ブルガリア国鉄70000系

 

ブルガリア西部のド田舎でないと乗れない激レア車両です。

1972 年 CCCP

他共和国でなく、正真正銘のソ連カーです。

1971年から1978年まで製造。луганский(ラテン表記:Luhansk)という街の工場で製造。

ルハンスクはウクライナ東部の街で、そこの

Luhanskteplovozという車両工場製造されました。貨物牽引用で、最高速度は100кмです。

写真は1972гと書かれているので初期車ですね。

 

Luhanskteplovozという工場は2015年に廃止されています。

 

….

DBカー

これはбждではないですが。

DB貨物はこんな遠いブルガリアまで当然のように乗り入れてきます。ドイツの支配圏半端ないです。

 

スイッチャー

ソフィアのスイッチャー。

52000というシリーズでドイツのHans Beimler 社製

首都ソフィアの駅では、頻繁に客車の入れ替えがあります。朝の時間帯は到着した夜行列車を移動させるためにちょこちょこ動います。

ボアアーって煙がなってますね。

 

客車

 

2等車では、元DBのコンパが走っています。

 

ドアは手動

1ボックス8人掛け

 

ミュニヒ、ハンブルグの街並み、ケルン大聖堂

コンパートメントの中から通路とその先の街並みを眺めたことがある人は居らっしゃるのではないでしょうか。

昔、ドイツを列車で旅行した人にはとても懐かしい光景だと思います。

 

やっぱりコンパは良いですね。

 

1等車寝台は、元DBの夜行から落ちてきた車が使われています。

白地に赤二本、赤の扉がインターシティ感あります。

自分は座席ばっか乗ってるのでこちらは未乗車。

 

ブルガリア国鉄は乗れば乗るほど、タイムスリップしたドイツでしかありません。

 

 

乗った

今回3本の夜行に乗車しました。

  • プロブディフからヴァルナ、
  • カルダムからソフィア、
  • イスタンブール(正確にはハルキリ)発ソフィア行

です。

8627バルサク行の列車には乗りましたが、ソフィアからセプテンブリまでの短区間なので省略します。

 

国内線

 

急行БВ8637

 

首都ソフィアを起点としない唯一の夜行列車で、座席車3両、寝台1両で構成しています。

首都を通らないせいか、(冬だったせいでもある)非常に乗車率が悪く、2等8人用コンパ占領できました。

 

ガラ空きコンパートメントを満喫するなら最もおすすめです

 

BDZがどういう営利感覚で経営しているかにもよりますが、もし廃止されるなら1番最初は多分ここです。

 

 

普通28223 → 急行БВ2636

 

こやつは半端ないです。

機関車の項で先述した1972年ソビエト社会主義共和国製のディーゼル機関車70000型が、まるでSLかと見まがうほどの黒煙を吐き散らし爆音を発しながら走ります。

この重厚感は半端ではない。

 

詳しい事は分かりませんが燃費は最悪だと思います(大絶賛)

 

そのソ連ディーゼルが、たった2両の客レを引いて、まずヴァルナ駅を出発します。

 

ヴァルナ→カルダム→ドブリチ ここまで普通列車として運用。

これはドブリチ駅。男鹿駅並、いやそれより何もない盲腸線です。三厩以下。

鉄路自体はここから北へルーマニア領内に直通してますが、現在はここまでしか走りません。

 

ここで折り返して28223列車としてカルダム→ドブリチ

夜行急行БВ2636としてドブリチからソフィアへ。

途中のПовеляново 駅でБВ3636と併結し、ソフィアへ行きます。このソ連機関車の役目はПовеляновоまでです。

 

本線は電化区間です。ヴァルナから牽引しているSkodaのELが引っ張ります。

 

 

 

西側と東側の融合

 

VB2636列車、見逃してしまいそうですがある意味象徴的な光景を見る事ができます。

 

かつて西側諸国と東側諸国は壁に分断され、対立は永久とすら思えました。

西側国民は、東側に何が走っているのか誰も知らず、東側国民は西側の人々がどう生活しているのか知るよしもありません。

 

機関車たちも客車たちも、お互い壁の向こうの鉄道について関わる機会はありませんでした。

世界はひとつではなかった。

 

DB:CCCP

 

分断の時代は終わった。

鉄の壁は今やない。

 

東欧ではこういう光景は無いことは無いんですが、大体シュコダ+DB(アルバニアで)とか、シュコダ+RENFE(BiHで)の組み合わせとかが多いです。

Skodaもソ連内ではあったんですが、でも何となくショコダはショコダ感があります。

思いっきりCCCPと書いてある機関車が西の客車を引くっていうのが案外珍しい気がします。しない?

 

 

国際線

 

イスタンブール発ソフィア行の列車に乗車しました。

492/494列車です。

これはイスタンブールソフィアエクスプレスと名付けられてます。

ハルキリからソフィア571.2kmを結びます。

これはトルコ領内で撮影。

イスタンブール側の起点でHalkiliという駅です。ハルキリーイスタンブールは工事中でした。

TCDD E68000という交流電気機関車です。

 

TCDD(トルコ国鉄)は割と新しい車なので、ソ連カーを追い求める人にとってはそこまで感動する要素は無いです。

客車も綺麗です。どう見てもDBらしいですね。

 

 

上記の3本は私が乗ったものです。

私が未乗車のソフィア発ブルガスや、ソフィア発シリストラ行きの夜行列車なども、ソフィア駅で観察していた限り、

機関車は100%ショコダのボロ機関車。

客車はDBの払い下げ。

近代化はしていなかったです。

 

普通、古い車は偶然来てラッキーというノリが多いのにブルガリアに関しては急行は遍くボロ。

 

ぜひブルガリア。

 

 

 

おわりに

 

 

2018年現在では普通列車を除けば、全くモダニゼーション、近代化の欠片もない、最高に1980年代、70年代がそのまま生きながらえている、奇跡のミステリーレイルウェイブルガリア。

 

とは言っても、時空の歪みで取り残されてしまったようなここブルガリア国鉄パラダイスも、いずれ必ず終焉を迎えるでしょう。

ブルガリアの夜行列車はとにかくお薦めです。今を生きる旧車が消える前にぜひブルガリアを訪れてみてください。

 

なにしろ機関車がボロい。

あの愛くるしい80年代丸目スタイルがあなたを待っています。

 

夜行に限らず昼行の急行も似たような状況です。БДЖの急行列車は無名ながら私としては特に乗ってほしいです。

 

行って。

 

おいでよブルガリア

 

 

 

取材: 2018.01~02

 

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