【キューバ】国内唯一の電鉄 ハーシー電気鉄道

 

 

 

どうもNSZ山本です。

キューバの鉄道はその殆どが非電化です。

唯一の例外を除いて。

 

首都ハバナ近郊にキューバに唯ひとつの電鉄があります。

その名は

HERTHEY ELECTOLIC RAILWAYだ。

 

 

ハーシー電気鉄道とは

 

 

Hershey Electric Railway – Wikipedia

 

ハーシー電気鉄道、またはハーシー鉄道は、

ハバナのカサブランカ駅からマタンザスまで92kmを走る列車です。

 

キューバ唯一の電鉄です。

徳島より発達しているぞ。

 

概要

  • 全長:92km
  • 開業①:ハバナ-ハーシー 1917年(wikipedia)
  • 開業②:ハーシー-マタンザス 1918年(wikipedia)
  • 軌間:1435mm
  • 電圧:直流1200V

 

歴史

 

Cuba’s only Electric Train, the Hershey | Havana Times

ハーシー鉄道はアメリカのペンシルベニア州にあるチョコレート製造会社、ハーシーコーポレーションによって作られました。

砂糖をSanta Cruz del Norte(ハーシー)から港へ輸送し、首都ハバナから労働者を輸送するためです。

 

上サイトによると線路開業は1916年ということになっています。このハーシー線の情報はかなり錯綜しています。ひょっとしたら砂糖工場開業と鉄道開業が混同しているといった可能性はあります。Wikipediaが誤りの可能性もあります。

 

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開業当初は蒸気でした。

1922年にマタンザスとハーシー間の電力が開始しました。後にカサブランカまで電化区間は延伸しました。

 

 

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砂糖市場の縮小によりハーシー砂糖工場は2002年7月に閉鎖しました。

 

元の使命である砂糖輸送は終わってしまっているとのこと。

 

 

実際に乗ってみた

 

2017年1月キューバを訪問。

その際に乗ってみました。

乗車時点では実はキューバ唯一の電鉄だとは知らなかったんですけどね。

 

起点となるカサブランカ駅はここ。

キューバ国鉄の本線とはハバナ港を挟んで対岸に分離しています。

 

キューバ国鉄の本線の駅はcoubre train書かれている所。ハバナ港を挟んで対岸に分離しています。

 

始発駅のカサブランカ駅です。

 

カサブランカ駅にある時刻表です。

C Blanca というのが始発。

4:45 / 12:21 /16:35 の3本があります。

 

2017年1月訪問時の時刻なので、現在変更しているかもしれません。

 

 

車両

キューバの車両は得体の知れないのが多いです。可能な限り調べたところ1両だけなんとなく正体をつかめました。

1つ目はこの貫通戸が無いタイプ。

903系?というのかしら。

パンタが異様に高く特徴的です。

 

どうやらこの列車は

Sarriá というスペインの街で作られ、カタルーニャ公営鉄道(バルセロナの都市交通)で走っていた車両らしいです。

製造年はこれと似た顔の405という車両が1944年製とのことなので、その年代に作られたとは思われます。

 

詳細はこちらにあります。

C U B A

 

2種類目はこいつ。

貫通戸有りで、ライトが1つでど真ん中についている車です。窓三つ。電車の見本みたいな顔でかわいいです。

すまんが正体は何もわからないです。

 

ハーシー駅

 

車内はこんな感じ。

観光鉄道ではなく、地元民が多く利用しています。

1日3本とはいえそれ以外に良い手段がないので、こうして市民に利用されてるんですね。

 

子供の頃、ドアとドアの隙間に切符を差し込んで、ドアの外側で切符が風の力で振動してるのを眺める遊びしませんでしたか?(近年suicaの普及でそういう遊びは減っているかもしれませんが)

キューバなら隙間が広過ぎて切符が挟まるどころか吹っ飛んで切符が無くなります。

 

BBQでもしたのか?

ツッコミどころが多い電車です。扱いが雑なところもまた宜し。

 

 

 

運転台

運転台なんですが

 

スピードメーターが見当たりません。

ひょっとしたら感覚で走っているのかもしれない。

 

これは貫通戸が無い方の運転台

右のメータは電圧計でこれにもスピードメータは無いです。謎だ

 

運転席のガラスはヒビ入っているのもあります。

 

 

 

ポイント

ポイントは一旦停止して運転士か車掌が降りて自力で倒します。

ハーシー線のポイントには集中制御なんて物は存在しません。

駅舎から線が伸びていて切り替えられる装置さえない。

 

 

 

 

 

 

ハーシー電鉄の特徴的な所は、

素朴な駅たちです。

仮乗降所としか思えないホーム長の駅しかありません。

 

カサブランカ、ハーシー、マタンザスの主要な3つの駅以外では、全ての途中駅がこの仮乗降場スタイル。

 

ホームと電車の隙間は自分で何とか乗り越えてくれ。30cmくらいはあります。

 

小さい駅でもかなり利用客はいます。経済的にもキューバはまだ車社会にはなっていないのかもしれない。

 

ちょっとした街でしょうか。大盛況の駅もあります。

 

MARGOT

もはやバス停。

 

 

秘境駅的なのもあります。周りは森か、牧草地か。

 

 

 

 

ターミナル

マタンザス駅 Matanzas

 

 

 

 

 

 

 

 

雑多な感じがいかにも駅ですね。

 

 

 

変電所

日本だったらちょっとした話題になってそうな変電所建屋があります。

誰も気にしません。

 

 

何だっていい

線路内も線路外もありません。

明確なものはなく、ぶつからなければそれでいいんやで

 

1両につき照明が電球ひとつしかないので夜は暗いです。

 

別に禁煙という法は無いので右のおっさんがスパスパやってます。

 

 

時刻表

 

マタンザス始発は、4:39 / 12:09 / 16:25 の3本です。

カサブランカ始発は、4:45 / 12:21 /16:35 の3本があります。

 

4:39発がカサブランカに着くのが8:01です。

起点から終点まで乗ると所要時間は3時間です。

こいつに3時間半座る羽目になるので、

痔の人は座布団を持っていくと良いでしょう。

 

 

運賃

 

片道2.8CUC (約2.8米ドル)

思ったより安くはないですね。

キューバでは外国人通貨と地元民通貨は別になっているので、

外国人価格なのだと思います。

 

How To Take The Electric Hershey Train In Havana Cuba ⋆ Best Cuba And Havana Casas Particulares

 

この切符はカサブランカで買いました。補充券。

 

 

おわりに

 

キューバのハーシー線は私たちが慣れ切っている近代的な輸送手段のでは味わえない体験を与えてくれます。

 

スピードメーターは無いし。

駅じゃない所で止まって客を乗せ始めるし。

タバコ吸ってるし。

車はぼろいし。

 

 

今日でもまだ観光化されずに、キューバ国民の足として活躍しています。

消毒されてないガチでボロいだけの電鉄で、私としては大変お勧めです。キューバに行ったら乗ってみてください!

 

 

 

おまけ

 

 

実は21世紀初頭まではカリブ海諸国全ての中で唯一の電気鉄道だったとのこと。

そもそもカリブの島々に鉄道はそんなに無いですがね。

Category:Rail transport in the Caribbean by country – Wikipedia

以下が鉄道が現存する中米の島国です。

 

バルバドス 観光鉄道のみ

St. Nicholas Abbey Heritage Railway – Wikipedia St. Nicholas Abbey Heritage Railway, Barbados

 

ドミニカ共和国 メトロ 電車 2008開通

Santo Domingo Metro – Wikipedia

 

プエルトリコ メトロ 電車 2004年開通

Rail transport in Puerto Rico – Wikipedia

 

セントクリストファーネイビス ディーゼル 1912年開通

セントクリストファー・シーニック鉄道 – Wikipedia

 

アルバ トラム 水素 2012年

Trams in Oranjestad – Wikipedia

水素で動く列車なんて先進的過ぎだ。

 

 

機会があったら中米周遊ついでにキューバ以外の鉄道も乗ってみてください。

 

 

 

Havana Suburban Railway – Wikipedia

 

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