ВЛ22м-1959 南ウラルのデッキ付機関車 撮影記【ロシア】

 

撮影日 2022年3月2日

 

ウラル山脈奥地に潜む老兵

 

ВЛ22という機関車がある。1958年に製造されたデッキ付きの電気機関車だ。

僕にとっては人生で最も撮りたい被写体の一つだった。

今回念願かなって現地に赴くことが出来た。

 

 

ジョージアのVL22Mの引退

 

WL22M 1483 der SR in Satsire

VL22Mはジョージア、クタイシで走っていたが引退している。

上のURLは2015年にスイス人(かなりやばい鉄ヲタ)によってジョージアのトキブリ線で撮影されたものだ。

 

世界最短1両ぽっきりのВЛ10 クタイシ ジョージア

僕が2019年にツキブリ線を訪問した時は引退していたので、その4年間のどこかで引退している。

上URLの一番最後の写真はツキブリ線でVL10が牽引する。

 

最後のVL22M

 

僕はジョージアを最後に全世界から既に消滅したと勘違いしていた。

 

VL22Mはまだ終わっていなかった。

TrainPix.orgでドローン撮影されたVl22が2021年の秋ごろアップされた。TrainPixは戦争のため現在閉鎖してしまったので現在は見ることが出来ない。

 

 

まだ生きていたのか。

 

 

バカル チェリャビンスク州

 

場所はバカルというチェラビンスク州内でもウラル山脈の奥地にある小さな町だ。人口は18000人。

鉄鉱石が採れる。その鉱山で走っている。

 

バカルは小さな町なので、外国人が宿泊できる場所は無い。まず隣町のサトカに行き、そのあと路線バスで移動する。

 

撮影地へ

 

サトカからバスで20分移動し撮影地へ。

VL22Mは工場専用の車両で、バカル駅まではRZDのVL10が牽引する。バカル駅から西へ延びる専用線を走ってくる。

 

ロシアの工場なので警備は厳しい。

工場に近づきすぎると捕まりそうなので、バカル駅の構内を見渡せる作りかけの道路の橋脚の上で待った。

 

午前中、工場の方から汽笛が聞こえバカル駅に来るかと思いきや走ってこない。どうやら工場内に一旦引っ込んでしまったようだ。

多少危険だが、バカル駅で待つよりも、もう少し西で待っていた方が撮影できるチャンスが多いだろう。

 

 

вл22 1959

 

VL22は中々来ず、スーパーやシャウルマ屋で暖を取り、再度待つ。

到着から6時間経ってようやく来た。

 

 

平日を狙ってたのだが、輸送量が少ない日に来てしまったようだ。

バカルまでVL10が引いてきたたった一つの空の無蓋車を、工場に向かって引いていく。

 

 

以前は貼ってなかったCCCPロゴが顔に追加されている、近年の愛国的事情によるものだろうか。

 

VL22M

1946—1958年に製造された。合計製造数は1542両。

現存しているのはここバカル鉱山に1両と、チェラビンスクにある工場内に2か3両?(両数は不確定)だけだ。

 

こちらの1959の個体は1958年製。

64年前の老兵は2022年の今も走り続ける。

 

 

一休みするVL22M。

 

 

 

 

ЕЛ21 011 – EL21

 

バカル鉱山で撮れる車両は他にもある。その一つが東ドイツ製のEL21だ。

 

今回はVL22目当てなので、全く目もくれなかったがこの車両も渋い。中国に走ってそうで、このデザインの方が刺さる人もいるかも。

 

EL21は 19811986に東ドイツで生産されたものだ。 -wikipedia

こんなウラル奥地でまだ生きているとは。

 

またVL23というVL8の両運転台の車両も走っているらしい?ので勇敢な諸氏に挑戦して欲しい。

 

 

宿泊について

 

バカルには唯一と思われるホテルLYUKS(リュクス)がある。そこは線路沿いなので、朝起きてすぐ撮影できる最高の立地だ。

ここは泊まれないのだ!

僕は事前に電話し、1チェラベク 2デニャ と言った。

 

宿泊拒否

 

到着し、アドミニストレーターがいる部屋に行った。

彼女は困惑した様子で日本人は無理だとのこと。僕は「なんとか泊まれない?」と2回しつこく言ってみたが無理だった。

電話で良いっていったじゃん。と言ったらロシア語が下手くそなキルギス人と思われてたらしい(なんてこった)

 

宿泊拒否されたバカル唯一の宿泊施設を恨みがましくスマホで撮影。

 

 

サトカで宿泊

 

バカルに行く時は隣町サトカで宿を取ろう。外国人が飛び込みで行っても泊まれた。

(当時、ブッキングコムで安く泊まれる貸アパートは、VISA制裁で事前払いができない状態になっている)

Viktoriya Виктория: ひとり一泊2500P

SatTurn САТУРН : ひとり一泊1500P

値段は当時。最初Viktoriyaに行ったら、もっと安いSatTurnを教えてくれた。

 

バス

 

サトカ~バカルを結ぶバスは20分おきと高頻度だ。所要時間は20分程度

 

 

おわりに

 

そんな電車程度と思うだろうが、僕の撮り鉄史上ナヒチェヴァン、ヤスドに匹敵する興奮だった。

この時期としてはかなり暖かく-5程度だったのも幸いした。

 

2022年に現役のデッキ機関車。いつまで走るかは分からない。

ロシアが戦争をしてしまったので、行くのは相当難しいと思うが、いつかまた誰でも行ける日が来るのを願う。

 

 

参考Youtube

 

参考1

やばいです。

 

参考2

 

参考3: 2015年にウラルを撮り鉄旅行したロシア人の化け物。必読。

По железным дорогам Урала (поездка 2015 года)

彼の別の投稿にはサハリンのТГ16もあり。

 

自分用メモ

вл22 1857

 

 

 

 

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