国際夜行タルゴ タシケント アルマトイ 乗車記 2022【カザフスタン鉄道】

 

乗車日 2022年7月7日

 

カザフスタンの国際夜行タルゴ

 

パンデミックで運休していたウズベキスタン-カザフスタンは2022年6月14日から運転再開した。

Скорый поезд Алматы – Ташкент запустят с 15 мая | Kazakhstan Today

ニュースではディーゼル牽引の旧式客レになっているが、実際はスペイン製タルゴで走る。

 

筆者は機会があったので、実際に乗ってみた。前回のタジク国鉄とは別次元の快適で文明度が高い列車だった!

冷房は当然のように稼働し、WiFiに繋げば航空機のような機内映画のサービスがある。インターネットは使えないが、映画音楽を配信する。

タジク-カザフでは国力の差がありすぎる。一体どうなっているんだ。

 

タジキスタンの国際列車のショボいけど憎めない様子はこちらの記事にて。

タジキスタン国際列車 2022 ドウシャンベ タシケント【鉄道旅行記】

 

タジクからキルギスへ列車だけで行く

 

キルギスとタジキスタンは仲が悪くGBAOの国境を閉鎖している※が、3列車を乗り継げば理論上鉄道だけで移動することができる。

  1. ドウシャンベ-タシケント
  2. タシケント-アルマトイ (シュか、シムケントなどで乗り換え)
  3. カザン-ビシュケク(シュから乗る) or ノボシビルスク-ビシュケク or サマラ-ビシュケク (シムケントから乗る)

筆者は1,2を実施した。

3もやろうと思ったが週1本程度で日程が合わずやめた。

(※噂なので本当にキルギス-タジク国境が閉まってるかは筆者未確認)

 

国際タルゴ時刻表

 

2022年7月現在

週3本運行

  • 001Х (Соц) Almaty 18:32 → Tashkent 12:03 18時間31分 (月, 水, 土)
  • 001Ь (Соц) Tashkent 12:39 → Almaty 6:31 16時間52分  (火, 木, 日)

時刻表はカザフ国鉄サイトか、RZDのアプリでも検索できる。

ЖД билеты без комиссии в Казахстане

 

値段

 

アルマトイ-タシケント 

  • 椅子: 約10000~12000テンゲ
  • クペー: 約19000~23000テンゲ (4人個室)
  • リュクス: 約27000~40000テンゲ (2人個室)

値段は2022年7月調べ。日によって変動する。やたら高い日もあるので参考程度に。

 

地図

 

タシケントからカザフスタン南部の各都市への地図。今回は赤文字のタルゴで移動。

タシケント発アルマトイ行は週3便の運行。

出入国のためのカプラベック駅(ウズベク)で1時間程度 サリアガシ駅(カザフ)にて50分の長時間停車がある。タシケント-シムケント間は6時間もかかり、タクシーとマルシュでは3時間程度で行けるため、シムケントへ行くだけなら効率的な方法ではない。

アルマトイまで一晩寝て行くには夜行バスより圧倒的に快適で長距離利用にメリットがある列車だ。

 

※バスはタシケント→アルマトイ、タシケント→ビシュケクへ毎日運転する。最後に記述。

 

実際に乗ってみた

 

タシケント出発

 

ウズベクの機関車がカザフのタルゴを繋いでいる。

 

タシケント駅名とカザフスタン国鉄のタルゴ。国際列車が存在しないイポンスキー出身にとってはテンションがあがるので写真をバシバシ撮る。

撮影禁止でないので何も言われない。しかし国際列車は大陸では日常的なものだし、カザフ人からしたら僕は奇人だろう。

タルゴは異様に長く見える。レストラン、ビュッフェ、電源を全て含めて29両編成である。

 

 

余談であるが記事はビシュケクで書いており、ビシュケク1で撮ってたら迷彩服をきた奴に恫喝され(パスポート提示がなかったので、本当にプロトコルは無く恫喝したいだけ)、旅行人生で最も恐ろしい瞬間だった。思い出すだけでトラウマになるレベルだ。今回紹介のウズベキスタン、カザフスタンは両国とも駅撮りOKなので大変すばらしい。

 

定刻通り12:39 出発

 

車内

 

タシケント – アルマトイのタルゴには普通車もついている。タルゴの中には座席無しのものもあり、その場合強制クペーかリュクスとなる。

座席はクペーより圧倒的に安く、貧乏人にはお勧めだ。

 

座席車。

そもそもタルゴのクペーは屋根が低いせいで居住性は思ったより高くないので、座席で良いかなというレべル。

 

冷房

 

すごい!!!!!タジキスタンと違って出発前から冷房が付いて快適だ!タジクと比べたらすべてが良くなってしまうが

 

座席

 

座席の問題点はリクライニングが一切ない。いくら普通車とはいえ、1ミリも倒れないのは悲しい。

回転しないのは海外客車では当たり前のパターン。僕は後ろ向きに座った。

隣が居なければ寝られるが、乗車率は割といい。シムケントまでは僕の隣に誰もいなかったものの、肝心の夜間走行区間になるシムケント以降におっさんが来てしまった。そうした区間利用も割と居るのは適正な価格設定ということだろう。

元々カザフ国内でも旧来客車よりタルゴの方が2倍以上高額なので、国際列車だから異様に高いということにはならないのだ。

 

車内コンテンツ

 

飛行機のように車内コンテンツがWIFIで配信されている。これはすごい。

音楽、映画、各都市のオーディオガイド、ゲーム、時刻表が見れる。

 

  • 映画 Ночная бригада ,орел девятого,など5種類ほど
  • ゲーム チェス, HEXTRIS, MARIO, PACMANなど 
  • 音楽 カザフ語の音楽が4アルバムくらいと、We will rock you が入ってるクイーンのアルバムがあったのは覚えている。

レパートリーは多いとは言えないが、WIFIコンテンツが鉄道であるのは凄いぜ!

 

ガッカリポイントは2つある。

ひとつはWIFIがXマークになっている。これはWIFI認証画面をそのまま操作画面として使っており、認証は出来ず、その画面のまま音楽や映画を見れる。強引な実装だ。

2つめは、ゲーム「INFINITE MARIO BROS」が”Press S to Start”といきなり出てきてPC仕様であり、スマホでは遊べない。

 

ウズベキスタン国境

 

13:08にウズベク国境に着く。ここでパスポートを回収される。軍人が駅の国境管理事務所へ持っていって、スタンプを押して返す。僕は客席に座ってるだけで、質問等は一切ない。滞在登録を一応挟んでおいたがちゃんと見たのかさえ不明である。

手荷物検査はあるが、カメラバックと衣類用のバックの両方を開けられた。

国際列車では陸路国境や空港のようにスキャンが使えないのが面倒である。

 

通路にある一部の壁パネル、天井パネルを外して薬物などが隠してないかチェックしていた。ここはタジク国際列車と同様。

 

14:36に出発。

 

カザフスタン入国

(カザフ時間にて)15:50くらいにつく。定刻は15:42なので少し遅れたか。時差は1時間のため、先程の出発から14分の所要時間。

 

税関がやってきて、なぜか「カラカルパク?」と聞かれた。そのパターンは人生初だ。

カメラバックを開いて見せた。

 

出入国管理で国力の差を見せつけろ!

 

カザフスタンの入国では、審査官が最初は1名、しばらくすると2名が追加で来て、合計3人が開いている座席で作業をした。

そして3名すべてがWindows10を搭載した出入国コンピューターを持っている!!!!

 

カザフスタン鉄道国境出入国マシン

各人員にWindows10を搭載した端末を行きわたらせる財力ッ…!!!

これが国力の差か..!!!!!

普通のPCではなく業務用に補強されたアタッシュケースに入ってるため、その辺のPCよりも高額なはずだし、カザフスタンすごいぜ。

そういえば昔もそういうマシン見たな

 

(記憶では)16:32の定時に出発

しばらく砂漠を走る。

 

シムケント到着

 

シムケント駅にて

シムケントで10分の停車がある。

カザフ国鉄のタルゴはスピード命のため、停車時間が短い。カザフの普通の客レでは30分停車などよくある事なので走破時間の差はでかい。

カザフ国内の牽引期はアルストム。アゼルバイジャンなどでも運用に入っているもの。

2021年製 KZ4AT 0030

 

シムケントは19:42発

車窓には平原しかないのでそれを見たりしつつ仮眠をとった。

 

食堂車/ビュッフェについて

 

食堂車は連結している。タルゴの食堂車は割と高額なので今回は行かなかった。

 

国内線シムケント- カラガンダにてタルゴ食堂車を利用した2022年5月3日の様子。

ボルシシ、ビール、パンで3850テンゲ、1300円程度だった。

メニューは豊富にあり、貧乏旅行人の僕は高いと思ったが、カザフ人はバリバリ利用している。これが経済力の差だぜ。

 

参考までにタジクではプロヴ1種類しかなく、値段は240円だ。

 

またレストランのほかにビュッフェも連結しているのがカザフスタン寝台タルゴの凄い所だ。

カウンター席であり、気軽に食べられる。

 

ШУ到着

 

Shuに2:30に到着。

アルマトイ行だが、僕はシュで途中下車し、タクシーでビシュケクへ行く。

深夜2時なのに明かりがともり、キオスクみたいな売店や果物売り場がある。

シュなどという大した規模ではない駅なのに、深夜二時でも複数の売店が営業し、奥では果物売りの屋台もある。

ここはアスタナからアルマトイ方面と、シムケント方面へ別れる駅なのだ。頻繁の夜行列車が発着し、活気がある。

その様子はまるで30年前の郡山駅の深夜のような気分だぜ!30年前の郡山駅なんて知らんけど。

 

これぞ鉄道が生きている国だぜ!

 

深夜2時台と恐ろしい時間だが、カザフスタンでは心配無用だ。

 

シュで待合室の椅子で待つこともできるが、カザフ国鉄運営と思われるソ連ホテルがある。ドミなら1時間200テンゲ(70円)と格安だ。

主な駅で営業しており、基本的に駅2階にある。

僕は4時間で800テンゲ、280円程度。

 

こんな雰囲気のあるホテルは珍しい。廊下の壁は塗り直してあるが、部屋はボロい仕様だったし防音がしょぼく駅のアナウンスが聞こえる。

出入り口のガスティニツァの表示は古めかしいものだった。こんなものが営業しているなんて!

 

ШУ シュ駅が夜中バルブがえぐい

 

シュ駅ではVL80牽引の客レが来てやばい。

VL80「寝かさなよ(イケボ)」

カザフでは駅どりOKなのでぜひバルブして欲しい。

 

 

総括

 

タシケント アルマトイの寝台タルゴはほぼ非の打ちどころがない列車だった。

国力ッ…!

 

メリット

  • 座席車もあるので貧乏な人にも優しい
  • WiFiコンテンツがある
  • 冷房が付く
  • 乗車率が7割以上あり、途中からの乗車もある→利用者の事をちゃんと分ってる。
  • 値段は合理的(座席車11793Tenge)
  • 食堂車とビュッフェが両方ある
  • 食堂車のメニューが豊富で、内装はきれい

 

デメリット

  • 国境審査がちょい長い
  • 週3本なので日程が合わないと使えない
  • WiFiのゲームがキーボード無いと使えない

 

車内販売すら廃止する鉄道落ち目国家からすると、食堂車とビュッフェが両方あるのは僥倖だぜ。

 

また、SHU駅の、24時間活気がある駅というのは鉄道死滅国家では味わえない、あの雰囲気というか、人々の行き来する様が見られるのでおすすめだ。

深夜2時のカザフスタンの駅に行くと良さみ(語彙力)

 

 

バスは毎日運転(こちらの方が便利)

 

Международные маршруты Ташкента

Автобус Бишкек — Ташкент будет ездить ежедневно

○タシケントからアルマトイ

夜行バスが毎日4本もあるので便利

○タシケントからビシュケク

夜行バスが毎日2本運転で便利だ。深夜2時半にШУで降りるのは鉄ヲタ以外メリットがない。

 

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