前回までで、南から2つのシュガートレインを撮影した。
今回は僕がネットで初めてその存在を知ったルクソールのシュガートレインを訪れる。当初ここの存在を知った後、芋づる式に他の製糖ナローを見つけたのだ。
訪問日 2023年1月19日
前回: エトフ
シュガートレイン ルクソール
Armant 工場
厳密にはルクソールにはナローはなく、ナイル川をはさんで西側にある、Armant という街にある。
観光ガイドがいう定番で、以下のような説明がある。
“ナイル川の東側が生者の街であり、西側が屍者の街である。そのため王の谷(王の墓が大量にある場所)は川の西側に作られている。”
こんなものは4000年前の伝説であり、実際には西側にもドンドコ生きている人が住んでいる。
Armantはそのナイル川の西岸にある。
生産量
2023年1月2日のニュースに生産量の記述がある。
بالصور: قطارات «الديكوفيل» بالأقصر.. «حتى لا تتكرر المأساة»
化学者のムハンマド・カミス・アーメドは、「ザ・セブンス・デイ」に、県内でサトウキビが栽培されている総面積は約 36,000 エーカーであり、約 130 万トンのサトウキビを生産し、約 130,000 トンの砂糖を生産すると予想
とのこと。130万トンのさとうきびを毎年運んでいるというのは凄い。
盗難
Luxor sugar Train
で画像検索すると色々出てくるが、一番上に表示される画像からのリンクは2013年の記事であり、
「私たちの村で直面している最も危険なことの 1 つは、広範囲にわたる鉄道線路の盗難であり、この問題は適切に処理されず、住宅地近くで列車が横転する事態につながっています」
などと書かれている。ナローの線路が盗難なんて、どこかの国(ウクライナだけど)で聞いたことあるような話だがエジプトでも発生しているようだ。
なにはともあれ、2023年現在は元気に走っている。
実際に行った
今回は公共交通の乗り方がイマイチ分からなかったため、ルクソールからタクシーを利用した。
ぼったくりタクシーだが怒る気にもなれない
ぼったくりを避けるためエジプトではAppが必須だ。
In Driverというアプリを使ったのだが、僕が外国人とみるや、乗った後2倍の値段をふっかけてきた。
2倍になっても、20kmで800円で、言い争う気にもならない金額なので払った。ユーロで払うと喜んでいた。アプリで評価悪くなりかねないのによくそんなことをやるなと思う。
エジプトではぼったくった後のタクシードライバーは大変嬉しいらしく、次も使ってくれと言わんばかりに名刺を渡してくるかWhats Appを交換したりする。
僕はぼったくられてるって知ってて払ってるのに、次回呼ぶわけ無いのだが、そんなことも考えに至らないのがエジプト人タクシードライバーである。
1度ならぼったくられてもいいが、俺はあんたの餌やり係ではないので2回目は無いよ。
現地着
アルマント工場からは、北へ延びる出口 と、西へ延びる出口の2つがある。北へ延びる路線は、さらに北と東に分かれる。
光線の都合上、満載の列車が午前順光である北の出口へと向かった。
現地に着き15分ほどウロウロしていると、単機が農園へ向けて走って行った。
今日も、期待できそうだ。
これを追いかけて農園方面へ歩いていく途中、さっきから乞食のガキが付きまとってきて非常に邪魔だった。
大都市の地下鉄入り口などにいるプロの乞食は、引き際を知っているので呉れないと分かればすぐ諦める。
一方でド田舎の素人のガキ乞食は質が悪い。彼らは常に暇なため、無限に付きまとってくるし、こっちの態度を見て「無理そうだな。諦めよう。」と思う知性が無いのである。明らかに著しくIQが低すぎて、自分の欲望ありきで動いているのでマトモな行動が出来ない。(母親が妊娠中、アルコールかシンナーをやって知恵遅れになった可能性は大いに高い)
今回は通りかかった理性のある兄ちゃんのバイクに2ケツして移動しガキを撒いた。僕がバイクを降りても、遠くにまだ追いかけてくる執念深い乞食ガキが小さな影として見える。怖っ。
この国に居ると、相手を「理性があるか」「理性がないか」という、人内、人外でまず判断しなければならない。僕の神経がおかしくなりそうだ。
昼前1本目を待つ
地元民にあまり絡まれないよう、サトウキビの生い茂る中の線路で待つ。中々来ない。
サトウキビ畑の側線には既に満載された貨車があるのだが、機関車はもっと奥地へ行ってしまったようだ。(農園は広大で、最奥まではとても歩けないと思う)
光線が悪くなってきたので農園の中を去り、道路と並行するところへ移動した。
暫く待つとついにやってきた。
良い光線で側面のサトウキビもよく写るショットをついに撮れた。エジプトナロー3件目にして大満足。
前回のEdfuのように停車中の写真でもいいのだがやはり走行写真だ。何が違うんだろうと思うが、運転手が乗って前を見ていたり、黒い煙を吐いている所か。
昼前に貨車を運んできたので、前日に既に積み込んであったのを運んできたと思われる。
実は30連くらいで走ってきたのでケツキレなのだが、もうこれはこれでVである。
午後
午後は別の光線が良くなる路線へ移動する。
沿線のおうちにお邪魔して昼飯をタダ食いした。
今回Armant は非常に良いエジプト人に会った。
昼飯をくれた人の家を去り、もう少し移動したところで、また別のオッサンにチャイに招かれた。
どうせチクりそうとも思えないので正直に列車を撮りに来たと翻訳アプリで伝えた所、家の敷地内で待って良い事になった。青年と女子がいるところでバナナもらって食って2〜3時間待つと、日没前ようやく列車が来た。
夕光線を浴び、ヤシの木を背に走るシュガートレインを、ついにジャパニーズ七三カットで撮影出来た!
ケツまで完全に入っているが砂を巻き上げぼやけている。素晴らしい。
周辺地図
図示した。僕が訪問したのは国道の北西の撮影地(午前順光)と、東に延びる撮影地(午後順光)だ。
シュガートレインは、午前空車で、午後満載で来ることが多い。必然的に北へ延びる路線か、東へ延びる路線が順光ポイントを狙うのが良い。
しかし、今回もそうだし、第一回のコモンボのように昼頃に都合よく満載で走ってくることもあるので、立ち位置は難しい。
エジプトナローレベルになると光線など一々気にしなくても全てがVなので、気にする方がアホでどうでも良いかもしれない。
南西出口
西出口も確認したところ確実に走っている。
おわりに
Armant では、昼前、午後、合計2本の満載の列車を効率よく撮影出来た。
2枚とも積み荷が目立つ良い角度で撮れて大満足。僕にはこれ以上の成果をArmantでは出せない。Armantには二度と来なくていいと思うくらい満足した。
ありがとうエジプトナロー シュクラン。