【フィンランド】スオメリンナへ裏ルートで行く。

フィンランドのおじいちゃんに会いに行こう。

 

どうも。NSZの山本です。

皆さんはヘルシンキのシンボル、スオメリンナをご存知ですか?

 

 

 

イントロダクション

 

・スオメリンナとは

スオメリンナはフィンランドの首都ヘルシンキ、南側の海に浮かぶ元軍事要塞です。5つの島からなっており、合計80ヘクタール(0.8平方km)です。

 

「スオメリンナ」を直訳すると「スオミの城塞」、「スオミ」は「フィンランド人」という意味です。つまり「フィンランド人の城塞」ということ。

現在は世界遺産に指定され、ヘルシンキの代表的観光地として大勢の人が訪れています。

 

 

・スオメリンナの歴史

スオメリンナはAugustin Ehrensvärdという軍将校によって、1748年に建設され始めました。この時期(18世紀ごろ)ロシアの脅威に対抗するため、他にもいくつかの要塞が建設されたそうです。

 

1808年、スオメリンナはロシア軍の侵攻によって占領されてしまいます。占領下でロシアは既存の軍事施設をさらに強化しました。1855年のクリミア戦争で英仏艦隊はスオメリンナのロシア軍に対し47時間もの砲撃を行いましたが、ロシアはそれに耐え抜きました。

ロシア革命後の1917年にスオメリンナはようやくフィンランドに返還されました。

1973年にスオメリンナは軍事的な役割を終え、完全に民間転用されました。

1991年に世界遺産に指定されています。

 

スオメリンナはヘルシンキのシンボルであり、要塞跡地や大砲、ロシア軍の残した大砲も見る事が出来る観光名所です。

Suomenlinna -wikipedia(en)

 

……..

 

首都にあるかなり有名な観光地なので、スウェーデン旅行をした人なら行ったという人が多いかと思います。

 

 

一般的には、Kauppatori港からスオメリンナ行きの船に乗ることになります。

 

観光客向けのメイン航路なので、結構綺麗な船が使われています。自家用車が2台乗ることが出来ます。車は側面から乗船するタイプで面白い構造です。

左側の古い船と右側の新しい船とのガチャなのでどちらに乗れるかは運次第です。

 

メイン航路は地図だとこんな感じ。

「Kauppatori」フェリー乗り場から「Suomenlinna päälaituri」へ行きます。

Suomenlinnan Liikenneという会社が運航しています。

 

 

……

しかし、

スオメリンナへ行く他の手段、裏ルートがある。

こちらが裏ルートのフェリー乗り場。

 

GoogleMapに航路が表示されさえしていません。なぜだ。

 

特に理由はないが、裏ルートというだけでわくわくします。

気になりませんか?私は気になります。

 

私は邪道が好きなのです。

行きます。

 

 

裏ルートで行ってみた

 

ヘルシンキ市の海沿いを、目当ての港を目指して歩いていました。

スオメリンナ行きの船は出港時間と利用客を、そこでひっそりと待ち構えていました。

おや。

 

この骨だけみたいな船はなんだ。

レイヤ2に描きました的なスッケスケです。

レイヤウィンドウの目のマークをクリックしたら消えてしまいそうな、儚さが感じられます。

 

 

 

飾り気のない、ただ必要な設備だけを詰め込んだ船です。

 

表ルートのフェリーは人間の輸送を優先とし自家用車は2台までしか運べませんが、こちらは車用のスペースが広く、工事に使う大きなトラックも乗ることが出来ます。

一方乗客用の客室は、車を置くスペースの両脇に申し訳程度に設置しています。民家の外壁と内壁の間の断熱材を入れておくスペースみたいに。

 

これが客室。

リベット打ちの壁面がたまりません。

リベットがあると目が行ってしまいまうのは人類の性でしょうか。リベットが放つ謎の魅力のせいでしょうか

 

神は、男と女と動物とリンゴとリベットをお作りになりました。

 

 

 

北欧は所得が高いのですぐ新造してしまうイメージがありましたが、こうした古い乗り物が残っているのは嬉しい発見です。

 

古い割には塗装も綺麗で、全体的に手入れが行き届いている点は先進福祉国家の余裕が垣間見えます。

大事に使われているのは素敵です。

 

1978年製、40歳の老人です。魚はつりません。

 

「HOLLMING OY」は造船会社名です。

「RAUMA」は地名で、hollming oy が位置する場所です。

 

HOLLMING OYはフィンランドの船舶製造会社です。1945年に設立され、船舶部門は1991年に廃止しました。

船舶の他にタンクローリーなども製造してたとのこと。

1945年から91年までに295の小型ボートを製造しました。小型船舶専門の造船会社だったようです。

Hollming OY -wikipedia(fi)

 

今は亡き造船会社の船というのもなかなかテンションがあがります。

 

…………..

 

出港時間が近づいてきたので、船の左右にオマケ程度に設置された客室に入ります。

船のドアの模範みたいなドアだな。

 

飾り気のない木製の椅子。15分で着くので痔にはなりません。

こじんまりとしていていい感じです。スモールイズビューティフォー。

 

船が動き出します。冬なので氷が大量に浮かんでおり、それら氷をかき分けながら進みます。

 

あっという間にスオメリンナに到着。Suomenlinna, huoltoiというらしいです。

 

ここには観光客を案内する施設は特にありませんが、少し歩けば元要塞軍や潜水艦を見に行くことが出来ます。

 

……….

 

氷に閉じ込められた船。

決められた時間が来れば、また走り出します。

 

 

まるで勇敢に船を繰り南極研究にやってきた観測隊が、目的の大陸に辿り着き羽を休めているみたいな錯覚に陥ります。

あるいは南極なうとツイートできますよ。

 

フィンランドのおじいちゃんに会いに行ってみてはいかがですか?

 

 

裏ルートの船乗り場からスオメリンナに行く方法

 


ヘルシンキ中央駅から出て左へ向かうと、大通りへ向かいます。

大通りにLasipalatsi(Glaspalatset)駅があるので、そこから4番トラムに乗ります。

HSL(ヘルシンキ地域交通)のホームページにトラムの路線図があります。

 

4つの路線が集中する停留所なので路面電車がどんどんやってきます。

4番トラムが来たら乗車してください。終点まで乗ります。

 

終点「Merisotilaantori」です。完全に只の住宅地。近くに港がありそうには思えません。

 

南下して海の方へ向かい、左に折れます。350mなのですぐ着きます。

 

港が見えてきます。越ノ潟の渡し船と雰囲気が似ています。

 

運賃表や、券売機チャージ機があります。

1回€2.9もするので、€9の一日券を買った方が良いと思います。HSLの路面電車も船も乗れます。

 

船内では特に改札も検察もありませんが、バレたら€80の罰金バッキンガムが待っているのでやめましょう。私はそんな目に合ったことはありませんが、外人だろうと情け容赦無くクレカ払いさせられると巷で噂されています。

 

時刻はこんな感じ。1時間に1本ほどで所要時間は15分です。

※裏ルートは土日は運休です。

19E Route: Time Schedules, Stops & Maps

 

………….

いかがでしたか。

スオメリンナにあえて変わった行き方をしてみたい人にはお勧めのルートです!

 

ヘルシンキを楽しんでください!

 

 

 

 

取材日:2018.3.20

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