イラン限界離島 廃墟巡りと光るプランクトン【ヘンガム】

 

 

僕はムキになっていた。

 

これがヘンガム島だ。

 

ヘンガム島を地図でひとめ見たとき「こりゃ無理ゲーでしょ」と思った。イきづら過ぎである。港まではケシム島中心から70kmはあり路線バスは無い。そして船のダイヤなどネットにはない。日本のちょっとした離島ならまだしもわざわざイランで行くような場所ではないのである。

 

だがムキになっていた。

 

なぜなら友人がオリホン島到達を達成していたからである。

 

オリホン島・フジュルに行ってきた①【イルクーツク観光】 | 二十五青年逃亡記

 

 

オリホン島はバイカル湖に浮かぶ島で僕は行っていないんだが行ってきた彼の証言によるとすこぶる良いらしい。バイカルやリストバンカは中国人観光客が居る。バイカルやリストバンカはミーハーが行くところでオリホン島の方が良いぜ!とロシア人が言ってたくらいだ。

海外でも限界度の高い場所に行ってる奴がいるのに、俺はここでいそいそと諦めるのか?良いのか?逃げるのかァ?www離島からww(小学生並みの煽り)

 

これでは限界離島マウント大会である。そんなことで競う意味は無いのに。いや、競っていたわけでは無い。僕はオリホン島に行った友人とは友好的である。トルコとアゼルバイジャンくらい友好的なので別に彼にマウントを取りたかったわけでは無い。

 

なぜだか知らないが限界離島に行かねばならない気がした。ここで行かなければ多分死ぬまで行かないだろう。

 

何より僕をHengam 島へ行きたいと思わせたのはオールドヘンガム(Old Hengam)という街だ。google mapでググって航空写真にすると見えるはずだ。その廃墟が。いや廃墟群だ。乾燥した土色の1階建てと思しき構造物がそのOld Hengam には点在しているのである。これは見てみたい!

まて、イランの事なのでひょっとしたらまだ人民が居住している可能性もある。何しろ行って確かめなければならない。 Old Hengam の廃墟とも廃墟でないともつかない興味深い集落を。イランの限界集落あるいは廃村を見るのは価値があるだろう。

 

 

というわけで僕はイランの南部、ペルシャ湾に浮かぶケシム島、のさらに南にあるヘンガム島へ行くことにした。

ここで行かずにもう一度来る方が余程コスパが悪い。未練を残さず行けそうな場所には全部言ってしまった方が良いのである。

 

 

 

港へ向かう

 

謎のイラン離島Hengam 島を目指していざ出発。事前情報として簡単に調べてみた。 Lonly Planetによるとヘンガム島へは船が出ていると書いてある。何とかなるだろう。

Snappというイランのタクシーアプリで船着き場まで走る。ケシム島中心地から65km程度あるのにタクシー代は700円だ。元々は675円だったが流石にチップとしてお釣りは上げた。船着き場までの途中にはフラミンゴが居た。Qeshm島は自然豊かだ。

 

 

北朝鮮の密航さながらの渡し船

 

思っていたのと違う船が港に留まっている。それはフェリーとは言わない。客船とも言わない。ただのボートである。あるいはアマチュア釣り家が自前の船を買いましたーこれで釣りしますーレベルの小さな小舟である。これは河川用ではないのか。海上用なのか?

 

 

Qeshm島からHengam島までは3kmより短い航路だ。それだのにこんなに波が出るのか。水しぶきがかかりまくる。

 

びしょ濡れである。

PentaxはWater Proofなので撮れる事には撮れるが海水がレンズに着き大変なことになった。

子供をかばう親。自分も船の前方を見ることはままならない。面倒なのでライフジャケットを着用していなかったからここで沈んだら終了である。密航に失敗して人間は消滅し、船体だけ新潟県の海岸に辿り着く北朝鮮人が座っていた跡地になってしまう。

 

そしてこの操縦士の男。青い服の男は速度を緩めないのである。こんな大波があるならもう少しゆっくり進めろよと思うが、遅くしても波しぶきは変わらないのかしら。左手の少女はかわいかった。

 

幸い船は Hengam島に到着した。

 

観光地

ヘンガム島へは首尾よく到着したので、観光をしてきた。僕は観光をできるので実質健常者だった。

 

200 年前の木

 

樹齢200年がある木らしい。トゥクトクの運転手が言ったのを同行したイスファハーンの若者に翻訳解説してもらった。

 

空気中の水分を取る根っこだそうだ。乾燥した大地に適応したらしい。

 

 

ガゼルが居た。ケシム島と同様にHengam 島も野生動物が豊富らしい。

 

 

Old Hengam

 

港があるのは New Hengam という街で、島のほぼ180度反対側には Old Hengam という街がある。この航空写真で廃墟かまたは人が住んでいるのか謎すぎるスポットに来たくて僕ははるばる密航船で死のリスクを冒してまでやってきたんだ。

 

というかこれは街に入るのか?

 

中には人間が住んでいそうな建物もある。人間の気配は確かにする。

 

 old hengemには100人しか人口が居ないらしい。殆どはマイグレーションしたという。new hengamには1000人 の人が住んでいるという。

 

 

 

なんとゲストハウスがあった。泊りたければこの半分廃墟の村オールドヘンガムで宿泊できるのか。 Hengami Homestay  0917 977 3056 と看板に書いてある。

 

 

 

 

ここをキャンプ地とする

 

ところで話はあの北朝鮮レベルのびしょ濡れ密航船に遡る。

船で乗り合わせたイラン人たちがキャンプをするという。お前も来るかと言われた。僕はシュラフが無いからまずいのではないかという懸念を伝えたが「Just a camp 」と異様にポジティブな意見をもらった。日本人の僕は断れなかった。

後でわかる事だがいくら南国ペルシャ湾でも夜は10度かそれ以下になり、僕は盛大に風邪を引いた。それを3日間こじらせてアルメニア国境まで行き、僕は保菌扱いされ病院に連行されてしまった。いやはやキャンプはやめておいた方が良かった!

 

イスファハーンから来た4人の強そうな男とカップル男女、そのカップルを撮影するために来たのだろうかNikon D810を持った男の合計7名。それに風邪をひくとも知らず呑気にシュラフなしで参加した日本人を追加した。

 

キャンプ地まではアフリカでの戦争みたいに荷台に乗ってハイラックスタクシーで移動した。

 

キャンプ地のすぐ近くにも廃墟がある。それも大小合わせ5件以上はある。このヘンガム島は過疎化が著しいのかもしれない。

この家を見るとこんなに海の荒波の近くでこんなショボい家に住んでたのかよなんて厳しい生活だろうかと思ってしまう。

 

 

この美しい夕日と引き換えに、僕は39度の熱をアルメニアまでこじらせたのである。イランとはあまり相性がよくないらしく、30日の間に2度風邪を引いた。

 

 

星空のメモリア(ポタク)

 

20分バルブしたら北極星が思いっきり映った。これはすごい。バルブって楽しいね小学生並みの感想。

 

発光するプランクトン

 

39度の熱を出すのと引き換えと言われるとそこまで見る価値はあるかどうかわからないが、あなたが健康ならこれは見る価値があるだろう。

 

このヘンガム島では特に冬の時期夜中に海で発光するプランクトンが見れる。それも青だ。

常に光っているわけでは無く時間帯を過ぎると消えてしまう。イランでは有名らしい。これはすごい。だからわざわざ彼らはキャンプなどするわけだ。民宿に泊ったらこれはみられまい。

同キャンプ地に居たNikon D810 を持ったプロらしきイラン人は僕より良い写真を撮っていた。

 

手前の黄色い光はヘッドライトが映りこんだだけだ。20秒くらいで打ち寄せては消える波に居るプランクトンの光を少しづつ集める。

確かにこれは凄いぞ。

 

 

おわりに

 

光るプランクトンや、住民が流出し限界集落と化したOld Hengam は面白かった。この限界離島ヘンガムに来る価値はあったと思う。

半分廃墟オールドヘンガムは良かったマジで。

 

 

風邪さえ引かなければ。

僕はシュラフなしでキャンプをした。ゆるキャンならぬ無理キャンである。ペルシャ湾沿いだし冬でも気温はそう下がらないだろうとは楽観論にも限度があるだろう。

1月のヘンガムは夜冷え込んだ。フリースだけではその寒さに対応できず完全に体調を崩し、頭痛がし、高熱を出し、高熱が出ているのに旅行のテンションで気づかずに旅を続け5日間拗らせ続けた。

 

 

結果アルメニア国境でサーモグラフィーに引っかかりコロナ疑惑アジア人になってしまった海外初救急車。個室。水際対策に見事引っかかった。アルメニアの検疫は優秀です。

 

 

僕個人の体験としてはヘンガム島は廃墟とプランクトンを打ち消してしまいマイナス点だ。いや完全に僕がシュラフなしでキャンプしたのが悪いので、バカなのは僕です。ペルシャ湾だし冬でも夜間は冷えないだろうとか根拠のない楽観論でテキトーに深く考えずキャンプした僕が完全にアホでした。(完)

 

 

結論:高熱を出したくなかったら、シュラフなしでキャンプするのは辞めよう。素直にゲストハウスに泊まりましょう!

 

 

 

 

https://www.lonelyplanet.com/iran/attractions/hengam-island/a/poi-sig/1563542/1301783 

ロンリープラネットの解説

 

https://apochi.com/hotel/captain-amini-homestay/

私は行っていないが泊まれるらしい。キャプテンアミニというホステル。

 

 

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