世界最果ての刑務所がここにある。
お疲れさまです。NSZの山本です。
刑務所で観光地として有名な場所は、日本だと網走刑務所が有名ですよね。
刑務所が博物館になっている所は、日本だけでなく海外にもあります。
そして世界最南端の元刑務所が、アルゼンチンのウシュアイアにあります。
ウシュアイアってどこ?
白地図専門店より。
ウシュアイア Ushuaiaは、南米大陸最南端に位置するフエゴ島 Tierra del Fuego / Fuego island にあります。国はアルゼンチンです。
ウシュアイアの町は、島内で最も大きな街です。
フエゴ島のフエゴとは炎のという意味です。
冒険家マゼランが名付けたのですが、その命名理由はマゼランが初めてここに来たとき、
先住民が炎をブン投げてきた
からだと言われています。
…..
日本からウシュアイアまで行く場合、
日本からの距離は17000km。飛行機で最低35時間かかります。
南極に最も近い街ですので、南極ツアーの起点としても有名です。
世界最南端の元刑務所 ウシュアイア監獄博物館
世界中で最も南にある元監獄が、ここアルゼンチンのフエゴ島、ウシュアイアの町にあります。
ウシュアイア監獄博物館です。(useo Maritimo y del Presidio de Ushuaia)
網走刑務所は現役ですが、こちらは「元」刑務所となっています。
入場料金は400アルゼンチンペソ(約1170円)です。
トリップアドバイザーで「高い」と言われていますが、観光地なのでこんなものでしょう。
監獄について
1904年から1947年の間、刑務所として利用されました。
気候条件の厳しさと世界最南端の都市の地理的孤立のため、この刑務所のセキュリティが高く、危険な犯罪者や、政治犯が拘留されました。
540人以上の収容者を収容できますが、収容人数を超えた時には、厩舎を即席の房として利用していたそうです。
1947年には人道的理由により、フアン・ドミンゴ・ペロン大統領の命令のもと、閉鎖されました。
閉鎖後、建物と土地はアルゼンチン海軍に引き渡され、隣接するウシュアイア海軍基地の一部となりました。
1994年「asociación civil ushuaiense」(ウシュアイア市民団体)は、海軍から土地と建物の両方を使用する許可を得ました。
海軍の協力により、写真や物品が提供され、博物館は開館しました。
抜粋:Penal de Ushuaia -wikipedia(es)
放射状に5方向、監獄が伸びています。
首を回せば全ての受刑者を見渡せるこの構造は、刑務所を運営する側にとって見張りやすいと言われています。
網走刑務所も同じ構造です。
空中写真はtripadviserで見る事が出来ます。
放射状の5つのうち、ひとつは手つかずで残っています。
無茶苦茶雰囲気あります。
設備がボロそうなので、スコフィールドだったら収監された翌日には合衆国への飛行機の中でしょう。たとえ自分が設計していなくても。
この床板を、これまで何人のヤバい奴らが踏みつけて行ったのでしょうか。
現在は観光化され、床もほっとしていることでしょう。
他の4方向に伸びている元収監施設は、博物館か、絵画のギャラリーになっています。
上の写真は絵のギャラリーとして利用されているところ。
美を愛する心にふさわしく、明るい雰囲気です。
博物館の中の展示物のひとつ。
囚人を捕縛する道具。
レプリカではないリアリティーは何か訴えかけてくるものがあります。
これも囚人に対して何かする道具のようですが、どういう風に人間を固定するのでしょうか。
スコフィールドオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
すぐ刑務所内で乱闘しようとするならず者、荒くれ者の寄せ集めである受刑者に目を光らせる刑務官です。
刑務所現役当時も、こうして腕を組んで見張っていたんでしょうかね。
展示品のひとつ。昔の写真です。
左上の写真をよく見てみると、
怖っ。
点呼をしてる時に撮影した物でしょうか。
アウトロー共が雁首そろえてドアの前に直立している様子は、冗談抜きでやばそうです。
普通に怖いです。
こちらのマネキンは本物の受刑者の写真とは違い、「根はいい人だけど事情があって犯罪にあたることをしてしまった人」っぽいですね。
ファーストフード屋の前に立っていても違和感が無さそうなレベル。
刑を受けているにもかかわらず、なぜか楽しそうにしているのも好印象です。
厳しい生活の中でも卑屈にならないこの精神は、私としても見習いたいところです。
この刑務所内で最もショックな展示物。
君らは一体何をしたんだ。
ペンギンと言えば”かわいい“”よちよち歩きでかわいい“等を連想します。
ペンギンの、普段の無邪気な姿は、野生であれ動物園であれ、子供達の顔も大人たちの顔も笑顔にします。
罪という概念から最も遠く離れている種族のひとつであるはずのペンギン。
無垢であるはずのペンギンたちが俯き、彼らの犯した、私には想像もつかない途方もない罪について悔いている様子は、
ペンギン本来の姿とはかけ離れ、不気味さは人間が俯いている場合の7兆倍増しはあります。
……
建物の外に、出ることが出来ます。
無機質な小窓が等間隔に並んだ姿は結構不気味です。
やはり刑務所は不気味だ。
刑務所の裏手からはビーグル水道というフエゴ島南側の海が見えます。
受刑者もあれらの小窓から冷たい海を眺めていたのかもしれません。
ウシュアイア監獄博物館への行き方
既にウシュアイアの市街地に宿を取りチェックインしているなら、心配する必要はありません。
ウシュアイアの中心市街地は、東西約1.4km 南北約500mの非常にこじんまりとした格子状の町になっています。
刑務所博物館は街の東端にありますが、街のどこからも徒歩で簡単に行ける距離です。
町の中心部のサン・マルティン通り(Av. San. Martin)から、監獄博物館への徒歩ルートです。
日本からウシュアイアまで
空路で日本からウシュアイアまで行く場合、
- 日本→中東→ブエノスアイレス→ウシュアイア
- 日本→ヨーロッパ→ブエノスアイレス→ウシュアイア
- 日本→北米→ブエノスアイレス→ウシュアイア
が考えられます。
地球の反対側なので、西回りも東回りも大差ありません。
映画を5本くらい見て、腰痛を悪化するには十分なほどの時間がかかります。
最低でも35時間はかかるでしょう。
私はメキシコ経由を利用しました。
ウシュアイア空港から市街地
空港とは思えない、おしゃれな外観のウシュアイア空港。
ウシュアイア空港から市街地まで、残念ながら公共交通機関はありません。
タクシーを利用することになります。
バックパッカーでお金を使いたくないという方は
歩くという選択肢も可能です。
空港から市街地までは5.8kmです。
おわりに
ウシュアイアは、空港から降りた瞬間、壮大な山々を見る事が出来ます。
島国日本のスケールとは全くかけ離れた景色で、ぶっとびます。
この景色だけも感動ものです。地球の端っこまで来た達成感もあるので、一生に一度は訪れてほしい街のひとつです。
ウシュアイアには監獄博物館の他にも
- 南フエゴ鉄道
- 世界最南端の郵便局
- 南極ツアー(むちゃくちゃ高価)
など、見所が山盛りです。
ぜひ行ってみてください!
了
撮影日 2017年1月