僕は困っていた。
溜まりに溜まった10週間分の写真ども。ウン百ギガバイト。
長旅で問題になる筆頭といえばSDカード問題だろう。無限に増えていくデータ。減っていく空き容量。これをどうしていくか。しょっちゅう帰国すれば自宅のPCに保存できるが長旅ではそうもいかない。かといって何十枚ものSDカードを持ち歩くのもアホくさい。
一応外付けハードディスクは持っているが、USBをさせるデバイスを持っていない。荷物を極限まで減らす策は時として仇となる。
外付けハードディスクは良いが、フラッシュメモリは高価だ。安い店を見つけたら買うようにしているが、128GBは3000円はするだろうし僕はデュアルシムスロットで2枚刺ししているから2倍必要だ。
トビリシで電気屋を物色し、SDカードの相場を見る。64GB 60ラリ=2400円程度で日本より高い。ジョージアのホステルやワインの物価は安いがSDカードは高い。日本のアマゾンで買ったら同じ値段で128GBが買えるしそんなのはアホすぎる。例えばラップトップも最安3.4万円くらい(850ラリ)でグローバル価格は変動しないらしい。
トビリシ インターネットカフェ 2020
そもそもラップトップを1台持っていれば話は解決している。一方僕はしょぼいタブレット一つしか持っていない。なんと外付けハードディスクを変換端子で無理矢理付けると電力不足でタブレットが落ちる。
さてどうしたものか。
こんなとき日本ならどうするか?
快活クラブ。メディアカフェポパイ。
あいつらである。ネットカフェがあるじゃないか。ネカフェのパソコンでコピーすればよいのである。
まて2020年の今、スマホ全盛期の今、あるのかネットカフェが。トビリシに。
INTERNET CAFE
あった。
2020年2月某日、google mapのあまりあてにならない地図情報を頼りに僕はネットカフェを目指した。google mapが悪いとかdisっているとかではなく、国によっては情報が全然更新されず廃業した店がプロットされたままの場合が多いのである。
今回目指したネットカフェのgoogle map上の名前は「INTERNET CAFE」
そんな単純なひねりも何もない名前のネットカフェがあってたまるか。逆に怪しい。せめてhoge hoge Internet cafe とかではないのだろうか。何かのいたずらではないのだろうか。グーグルマップで表示される画像にはなぜか女性がレストランの店内で立ってポーズをとっている写真が1番目に出てくる。ネカフェじゃねえ…
行ってみなければ分からない。
不安をよそに存在した。「INTERNET CAFE 」は。この階段の下だ。
入り口の見た目はアンダーグラウンド感がある。半地下の場所だから事実アンダーグラウンドだ。ジョージアのヲタクが集まるにはふさわしい場所だろう。
店番のおばちゃん
店番のおばちゃんはコンピュータというテクノロジーにあまり縁の無さそうな見た目の50代くらいに見える。どちらかというとその辺のマガジン(ロシアの売店)で店番をしていそうである。しかし英語は最低限理解していて金額を two lari と言っていた。もちろんロシア語の方が余程流暢のようだ。
もう一人後でやってきた店の関係者らしいおっさんも50代くらいに見える。どちらかというとその辺の肉屋かシャウルマ屋に居そうなおやじである。
ネットカフェという感じがどこからも見受けられない。しかしパソコンはそこにある。
設備
日本のように扉が付いた個室ではない。パソコンが左に4台、右に4台、真ん中に通路がある。机には左右との仕切りがあり配置はどちらかというと会社の机に近い感じだ。明かりは最低限でかなり暗い。ヲタクが集まって怪しいゲームをするにはふさわしい場所だ。
設備は完璧とは言えず椅子が破れていたがパソコンには関係ない事だ。
core i3 2130 3.4GHz 8gb windows 7 64bitcだった。スペックは不足ないがUSB端子の差し込み口が少なくコピーしづらかった。マザーボードが安物なのだろう。1万2千円あればUSB端子が10個ついてるマザボ買えるんですがね。
USB接続のヘッドホン外し事なきを得た。
謎の客
日本のようにすべてが粛々と Orgnize されているわけでは無い。僕が座って作業をしていると明らかにパソコンを使う世代ではないような怪しい細身のおっさんが部屋に入ってきた。彼の用事は僕は全く分からなかった。しばらくするとパソコンを一切使用せず消えていった。客ではなかったのか?
ときおり店番のおばちゃんと誰とも知れぬ客の男が受付で大声で言い争いをしているのが聞こえてくる。ネカフェで言い争わなければいけない事案など僕には思いつかぬ。あんまり言い争わない国ナンバーワンジャペンから来た僕からしたらさっぱり想像がつかない。ジョージア語が分かれば手がかりが掴めるだろう。
一体君たちは何をしたいんだ。
18時。そこそこ盛況
今時ネットカフェで情報収集をする必要がある事は無い。スマホで十分だ。そんな状況下ネカフェなどじき潰れてしまいそうな気もする。
僕が入店したのは13時でその時は他に1人しか居らず彼も時期に消えていった。しかしじきにまた2人の男がやってきて彼らも1時間程度で去っていった。
18時ごろになると若者が集まってきた。ネットカフェのゴールデンタイムだ。薄暗い半地下はPCゲーム目的の若者で盛況と化した。彼らは日本の眼鏡チェックシャツヲタクという感じではなく、あまり根暗な感じがしない。まあ暗いのでよく見えないけど。基本的にボソボソしゃべる人があまりいないので、根暗な風に見えないのである。
暗闇
トビリシのネットカフェはチェーン店ではなく個人経営らしい。規則にがんじがらめになっていない。若者はゲームに没頭するためか店番のおばちゃんに頼んで部屋の電気を消していた。頼めば色々と自由にできる点にはほっこりする。
元々薄暗かった部屋の証明は今や完全に途絶え、モニターから漏れる光だけがジョージアのヲタクと僕の顔を照らしている。真っ暗な中でPCゲームをしている様はアンダーグラウンド120%増しだ。つまり220%である
ゲームヲタク達はチーム戦をしているのか、3人ほどがヘッドホンを付けつつわーわー言いながらゲームをしている。普通にうるさいが、こうなんか和む。ネットカフェというよりこれはe -sports会場である。
同じゲームという趣味を持つもの同士が集い、遊戯に明け暮れるとはなんと理想的なネットカフェだろう。
その横ではそのグループに入っていない男が単独で出来るゲームをやっているらしい。ピコピコ音がヘッドホンから漏れている。
最後に僕の左手に座っていた男は、あまりまじまじ見ると失礼だが何となくポノレノ画像を見ているようなものが視界の隅に映った気がする。詮索は悪趣味なので僕は彼の画面をまじまじ見ようと努力するのは辞めた。
結局最後まで男の客のみだった。
おわりに
このようにスマホ全盛期でもネットカフェには利用価値があるのだ。それがジョージアにおいても。
ネカフェを全部廃止してしまったら困りものだ。公衆電話と同じである。
日本のホテル代をケチりたい人のための場所とは一味違う自由な雰囲気がそこにはあった。ちょっとうるさいけど。海外なんてそんなもんである。
ジョージアの若者にこれからもアンダーグラウンドなネットカフェでゲームを楽しんでもらいたい。ゲームに没頭したいがためにいきなり部屋を真っ暗にしたり、受付でわーわー言い争ったり、用事が何なのか分からぬおっさんが出入りしたりしながら。
場所
Google mapプロットは正しい。こんな看板がある。
1時間2ラリ=80円程度
もう一箇所、新市街の方にもFAB Internet club というのがあるらしいが確認はしていない。
didubeの近くの「INTERNET CAFE」は口コミにやってないというのもあるが、何が本当なのか分からない。ひょっこりやってるかもしれない
ინტერნეტ კაფე
トリップアドバイザー古いやつに投稿されてる店 6年前だからもうだめかも
https://www.tripadvisor.com/ShowTopic-g294195-i9344-k7180715-Internet_cafes_in_Vake_area-Tbilisi.html