ブッキングコム最後の夜 評価9.6の宿 ロシア

 

ロシアではbooking.comが使えなくなった。厳密には、ロシアの宿は一切表示されない状態で、ロシアでパリのホテルを探し予約することは出来る。

僕は使える最後の日に予約し、使えなくなる開始日にチェックインするという稀有な体験をした。

予約日 3月4日2022年

宿泊日 3月5日2022年

 

僕は気分で旅程が変わるので、前日の夜に予約する場合が多い。ギリギリでいい加減な旅行をしている。

3/4の夜、僕は迷っていた。明日マグニトゴルスクに行くので宿を探さねばならない。

 

マグニトゴルスク

 

マグニトゴルスクは南ウラルにある。チェラビンスク州。人口41万人と巨大都市でかつて閉鎖都市だった。

1937年に外国人は去るよう宣告され、「閉鎖都市」になった。

ペレストロイカの時期に閉鎖都市は解除された。

During perestroika, the closed-city status was removed -wikipedia

 

 

安宿か、評価が高い部屋か迷うワイ

 

最安の宿が450P Hostel Lenina12

ホテルの名前が住所という適当っぷりだが450ルーブルでとにかく安い。

ブッコムでの評価は7.4で過去に一度泊まったスイスか北欧の人が ‘noisy neighbors’ – 隣人がうるさい とのこと。他のロシア人がした評価もやっぱりこの安ホステルは五月蠅いらしい。

僕はトラム鉄をしに来た。夜は寝たいので五月蠅いのは出来れば避けたい。

 

次の安い宿は1250P ☆9.6

450Pまたは1250P。

うーん一気に2倍以上か。高いなあ。

ん?

 

☆9.6

そんな事ってある?

評価高すぎですよね?

しかし嘘を言っているとは思えないレビューの数々。もちろんレビューは全員ロシア人だ。

 

 

9.6に勝てなかったワイ

 

片や450Pで駅から500mと便利な立地。

片や駅から8kmとかなり離れている。

選ぶとすれば値段&利便性は7.4の安ドミトリーだ。

 

しかし9.6とまで言われると… 話が変わってくる。

また、9.6はアパート部屋ごと丸貸しの形式だ。部屋かりて1日1250Pは安い。決めたぜピカチュウ!пика!

 

 

マグニトゴルスクの公共交通はとても便利

 

マグニトゴルスクはロシア有数の巨大トラムシステムがある。ウラルの奥地とは思えない大都市で、トラム路線網は73kmもある。

マグニトゴルスクはマグニト山という鉄資源が眠る街で、そのためこんな僻地に巨大都市がある。ゲームソビエトレパブリックを現実化したのごとく熱い街なのである。(地理ヲタならわかってくれるはず)

というわけで8km離れていても困ることは無い。宿はトラムの電停から歩いて3分ほどだ。

 

 

実際に行ってみた

 

バスでマグニトゴルスクに到着。写真は鉄道駅だがバスターミナルは写真右手に隣接している。

 

前日、チャットで「14時ごろ着く」と言っておいた。

今回はホテルでなく部屋なので、ちゃんと連絡を取っておかないとアパート前で待ちぼうけを食らう可能性がある。チェックインの時だけオーナーが来ると思われるからだ。バスでバスターミナルに着いた時、

「今バスターミナルだ。予定通り14時に行く。」と言った所、

「迎えに行ける」というような返信が来た。

返信が来た時点でトラムに乗ってしまったが、もしかしたら本当に車で来てくれたのかもしれない。

 

コンニチハ

 

トラム停留所から部屋までは地図のとおりだ。

 

で、男が立っている。

 

コンニチハー

 

は?

 

 

男が道路際に立っており、何故か日本語であいさつをしてきた!

この日、屋外は雪が降っていた。寒い中待っていたというのか。

 

流石ブッキングコム9.6は格が違う。こんな宿は初めてだぜ…

アンビリーバボー。This is crazy. beyond my fxxin imagination.

 

 

外観

 

外観を撮るのを忘れていたのだが、写真左端にある典型的な共産住宅だった。階数は(たぶん)9階建て。案内された部屋は1階だ。

 

 

部屋

 

鍵は3つある。ひとつはアパート自体の電子キー、2つ目は部屋ドア、そのドアを入るとさらに2つドアがある。右手にはロシア人が住んでいる。左手のドアが僕の部屋だ。

 

入ると、1DKになっている。入ってすぐ左にジャケットのためのクローゼットがあり、その横にバスルームがある。右に寝室があり、直進するとキッチンとテーブルがある。

 

リビング

奇麗すぎじゃね

 

寝室

 

 

free water 水

 

7リットルの水がタダで置いてあった。

 

 

洗濯し放題

 

4泊のうち2回洗濯した。もちろん洗剤は置いてある。

 

 

ブッキングコム、無事死亡

 

制裁の話題はツイッターで聞いていたので、試しにブッキングコムを開いてみた所、本当にロシアの宿は表示されなくなっていた。前日の22:00に予約したのがギリギリだった。あと2時間のんびりしていたら9.6に来ることは無かっただろう。(正確には何時にBookingcomブロックが始まったかは不明です。)

 

 

マグニトゴルスクのBooking.com 9.6は間違いなく人生で最高のユーザーエクスペリエンス

 

おそらくブッキングコム制裁は数年以上、あるいは完全クソデカ北朝鮮になったらもう二度とロシアで使えないだろう。

ロシアbooking.com 最後にして最高の思い出になった。

 

 

さらばマグニトゴルスク。さらばサーバーセンターに葬り去られた9.6。もし制裁が無ければ間違いなく僕は全てを10にしていたから多分9.7になってたはずの星。

こんな真面目な商売をして掃除も万全なのにブッキングコム中止というクソ制裁のせいでビジネスを台無しにされた人が可哀想すぎる。国家元首は引っ込んでどうぞ。

 

 

これからはブッコム無き修羅のロシアを旅行するしかない。

 

おまけ

 

共用スペースは洒落てないのはロシアらしい。

出入口階段はやっぱりソ連アパートっぽかった。

 

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