イントロダクション
どうもNSZ山本です。
今日はギリシャの世界遺産、ミストラス(Mystras)への行き方を紹介します。
ミストラ(Mistra)とも呼ばれています。
ミストラスはビザンチン美術が好きな人にとっては涎を垂らすレベルの半端ない遺産です。
よだれを拭くためにハンカチを持参した方が良いです。これはジョークではありません。繰り返しますが半端ないです。
ミストラスってどこ
ミストラスはギシリアのペロポネソス半島にあります。
アテネからは直線で南西方向に150kmあまりです。
ペロポネソス半島とは、「オリンピア」「ミケーネ」「コリンンソス」「エピダウロス」など古代ギリシア文明が栄えた場所です。
今は逆に寂れてしまって広い自然と山々の中に遺跡だけがあるという、最高すぎる半島です。
ギリシアと言えばサントリーニを初めとした島嶼群が有名ですが、こっちも最高です。(語彙)
ミストラスって何
崖にへばりつくように聖堂群が並んでいます。これがミストラスです。
ゲームの世界みたいです。
教会、居住用建物、または建物の残骸が合わせて25件が山肌に集まっています。
歴史
1248年 の終わりごろ、アカイア公国のギヨーム2世はペロポネソス半島に住んでいたメリング族を監視し、服従させるためにこの山に城を築きました。これがミストラスの始まりとされています。
1259年 ギヨーム2世はペラゴニアの闘い(Battle of Pelagonia)で敗北し、ニケーア帝国の捕虜となりました。
2年後、ギヨーム2世はまた捕虜として捉えられてしまいました。ビザンツ帝国の捕虜となったギヨーム2世は、ビザンツ帝国と交渉の末合意に達しました。
それは、モネンバシア、Grand Magne(Mani半島の城)、そしてミストラスと引き換えに捕虜から釈放されることです。
こうしてミストラスはビザンツ帝国のものとなりました。
1348年~1460年まではミストラスの黄金時代でした。モレアス専制公領の行政府が置かれました。
この頃、ミストラスの主要な聖堂であるPantanassa Monastery(1428) 、Peribleptos Monastery(14世紀半ば)などが建てられています。
Pantanassa Monastery
1460年、オスマン王のモハメッド2世がミストラスを包囲し、オスマンの統治が始まりました。
オスマン帝国はミストラスに新しいモスクを建設することなく、既存の教会を改装をしてモスクにしたとのこと。
そのため、ビザンツ時代の建物が未だに残っています。
1989年、ユネスコ世界文化遺産に指定されました。
ビザンチン美術って何
「ビザンティン美術(ビザンティンびじゅつ)は、5世紀から15世紀の東ローマ帝国で発達した美術の体系。古代のギリシア美術、ヘレニズム美術、ローマ美術を継承しつつ、東方的、キリスト教的要素を含んだ独特な体系を産んだ。日本ではビザンツ美術と呼ぶことも多い。」
wikipediaより引用
Pantanassa Monastery の内部。
ビザンチン美術はその名の通り、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)で発展した美術です。
ビザンチン美術のモザイク画は、特に高い評判を得ています。
東ローマ帝国は395-1453年の時期にありました。首都はConstantinople(イスタンブール)です。
その後1300-1600年頃のルネサンス期にフィレンツェを中心として科学の発展と共に写実的なルネサンス美術が発展しました。
フィレンツェにはダヴィンチ、ミケランジェロ、ヴェロッキオなどの偉大な画家が集まっていました。
ルネサンス美術の方がリアルさは高く、今日の絵画とも共通点が多い感じです。
一方、ビザンチン美術は様式化され平べったい絵ばっかりです。
素人が見ると、様式化されたビザンチン美術はみんな同じ絵に見えてしまうかもしれません。
これは神の普遍性を書くためと、偶像崇拝の批判を避けるためだったとのこと。
ハンコ絵師じゃないよ?
ビザンチンの専門家が大学の講義で「良く見るとちがうんですよ」と嬉しそうに語ってました。
最終的にオスマン帝国(トルコ)がビザンツ帝国を滅ぼしましたが、ビザンチン美術はオスマン帝国のイスラム美術にも影響を与えたとのこと。
……..
ミストラスは、500年も前の絵画を見る事が出来る、世界遺産にふさわしい凄いスポットです
おすすめです。
行き方
アテネ→スパルタ
まずアテネからミストラスに近い「スパルタ」に行きます。
スパルタ教育のスパルタです。べしんべしん。
アテネのペロポネソス半島方面へのバスターミナルは、中心市街地から少し離れています。
Kifisou という名前のバスターミナルです。
KTEL(クテル)というバス会社で、ペロポネソス遺跡巡りをするならずっとこのバス会社にお世話になることになるでしょう。
アテネ→スパルタは1日9本のバスが出ています。
SPARTA – ATHENS // ATHENS – SPARTA – ΚΤΕΛ Λακωνίας
アテネからスパルタの料金は
€19.5です。
スパルタ→ミストラス
スパルタからは路線バスで行きます。
街の東の端にあるバスターミナル「K.T.E.L. Lakonias S.A」から乗れますが、、、
ここは街の端っこなので、市内の中心のバス停から乗った方が良いでしょう。
わざわざ町の端のターミナルまで行く必要はありません。
市内のバス停から乗ることができます。
場所はこちら。
「Αρχαιολογικό Μουσείο Σπάρτης」という博物館の道を挟んで反対にバス停があります。
バス停の横にはバスのチケットを売る小さな窓口があるので、何分か前に行って買っておくことができます。
片道€1.8 (スパルタ→ミストラ2018年時点)
Sparti – Mystras – ΚΤΕΛ Λακωνίας
時刻表はこちらです。
- 月~金曜日 5本/日
- 土曜日 3本/日
- 日曜日 0本/日
日曜日に来てしまった場合は泣いてください。
スパルタの街からミストラスまでは5.2kmなので、
あるいは徒歩で行くことも可能です。
料金・開館時間・休館日・入場無料の日
料金
- 大人 12€
- 国際学生証 6€
開館時間
- 4/1~10/31:夏開館 8:00-20:00
- 11/1~3/31:冬開館 8:00-15:00
私が行ったのは冬で、観光客が少なめでした。
ギリシアって何故か博物館や遺跡とかの公営の場所が朝8時から営業で凄い真面目で早起きなのに、冬だとみんな15時頃に閉めるんですよね。
ツーリストとしても15時になったらもうホテルに戻ってワイン飲むかレストランでワイン飲みながらボケーっとするしかなくて、そこがまたギリシアの良い所です。
冬でもギリシアはとても温かいので遺跡巡りには意外と良い季節かもしれません。
休館日
- 1/1
- 3/25
- 5/1
- イースターの日曜日
- 12/25
- 12/26
イースターはキリストの復活祭です。4月のどこかで、毎年変わります。
無料の日
入場無料の日があります。
- 3/6 メリナ・メルクーリの日
- 4/18 世界山の日
- 5/18 世界博物館の日
- 9月の最週末 ヨーロッパ遺跡の日
- 10/28
- 11月から3月の第1日曜日
中でも3/6のメリナ・メルクーリ メモリアルデイが目を引きます。
メリナ・メルクーリは1920-1994のアテネ出身の女優です。国際的に成功した女優です。3/6はメリナ・メルクーリの没日です。
ギリシアは1967年から74年まで軍事政権が統治しており、その時民主化の運動を行いました。1977年にはギリシア議会に当選しました。
……
開館日、料金などの正確で最新の情報は公式サイト(ギリシア文化スポーツ省)をご覧ください。
Ministry of Culture and Sports | Archaeological site of Mistras
こんな感じです。
ビザンチン美術の平べったい特徴的な壁画を見に行っては如何ですか。
トリップアドバイザーでは星4.5の高評価を得ています。
とても見ごたえがありますよ。
了