山の根踏切 第四種踏切なのに4分毎に列車が通過【神奈川県】

 

どうもNSZ山本です。

逗子にあるかなり危険な第四種踏切の話題です。

 

第四種踏切

 

警報機も遮断機も無い第四種踏切は、地方の小私鉄ではしばしば見かけます。

秩父鉄道は第四種踏切が多いことで有名です。列車の接近を通行人に知らせる手段がないため、死人が出ています。特に視野が狭く聴力が低下したお年寄りか、判断能力のない子供が犠牲になります。

 

 

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こちらの「踏切道箇所数等(事業者別)平成29年3月」によると、第四種踏切の数は、

JR北海道に131箇所、東に393箇所、東海105箇所、西日本479箇所、四国104箇所、九州240箇所、貨物64箇所だそうです。

 

東日本に400箇所もあるというのは驚きそうな所です。が、

箇所数だけだと、踏切全体でどれくらいを占めるかわかりません。

資料から割合を計算したのがこちら。

 

JR貨物が34%とぶっちぎりで割合は多いようです。

東日本と東海は6%、他西日本や九州四国北海道は8~9%程度らしいですね。

全体の7%は第四種というとイメージよりも案外多いような気もしますね。

 

第四種踏切は大抵、運行本数が少ないド田舎で、幹線以外にあるような気がします。

 

しかし、

4分に1本の頻度で列車が通過し、

東京から1時間くらいで行けるJR東日本逗子駅付近に、

そいつは居る。

 

山の根踏切

場所はここ。地図上だとちょっと良い場所がないのですぐ近くの下田公園にアンカーを置いています。

逗子駅から東方向に歩いて500mです。

 

居た。

第四種踏切が。

 

北側は県道205号と接しています。

踏切へ入る前に既に試練があります。この道路はそもそも車の通過量の多いです。びゅんびゅん来ます。

 

見ての通り、警報機も遮断機もないので

逆開かずの踏切。

開かずの踏切の対極。

ラッシュ時でも実質フルオープン

多忙な現代社会を生きる市民にやさしく、導線を阻害しないタイプの踏切となっています。

 

9本跨ぎ

山の根踏切は合計9本の線路を跨ぎます。

長さ35m。長いです。

北側から見て、使われてない留置線が1本。下り本、上り本、そして留置線が6本連続 合計9本。

 

本線だけ地面が緑色で塗られています。

分かりやすいようにしたのだと思いますが、マニアでもない限りその意味に気付くことは無いでしょう。

留置線の一番南側は踏切の入り口と近いので列車の迫力ある姿を見れます。

 

踏切を渡る途中で、留置線が良く見えます。同じ車しか居ませんけどね。

 

 

上り本は最もスピードが出て迫力があるかも。

 

看板

人を通行させることを希望していない、警告文の数々。

「電車に注意 左右確認」「電車に注意 左右確認」

「とまれみよ」「とまれ!」

 

挙句の果てには

「逗子手前(280m)に歩道橋がありますのでご利用ください。」

帰ってくれと言わんばかりだ。

 

ただしわざわざ往復560mも歩こうと思う人はあまり居ないでしょう。

 

狭い。

踏切への侵入経路を制限する柵です。

僕の腕換算で40cmです。

人間以外は通行してほしくなさそうです。出来るだけ通路を狭くして自転車なんかを弾いてるのでしょう。

スーパーサイズ化した肥満の人も通れないと思います。

 

柵は結構年季が入っている感じ。

 

運転頻度

50分の間で、13本通過しました。

3.8分に1本の間隔でこの警報機が無い踏切を列車が通過します。

3.8分に1本って多くねえか。

 

本線自体は片方向毎時4本程度でも、それが上下線走り、さらに、

逗子で切り離す4両編成が本線を走る列車と同程度の頻度で走っています。結果これほどの頻度になっています。

 

既に死人が出ているとのこと。

2019年3月、92歳のおじいさんが死亡。実際死亡した人はラジオを聞いていたとのこと。

15m吹き飛ばされたそうです。

 

ここではジャスティンビーバーや文化放送は聞かない方がよさそうです。

隣の踏切の警報音が聞こえるので、イヤホンしてなければ気が付けるんじゃないでしょうか。

 

死人は大げさに取り上げられています。しかし前回の死者は10年前のよっぱらいだそう(住民の記憶談なので正確かは不明)で、事故頻度は多くはないようです。

 

 

夜間はこれで照らすのでしょう。

 

2019年に実際に起きた事故は3月21日午後5時47分だそうなので、電灯でどうにかなる問題ではないかもしれません。

通行人の人を観察していると左右を結構確認していました。やはり死人のニュースが心に刻まれているのかもしれません。

 

しかし南側から歩いて行った場合、6本の留置線で確認する体力を使い切りだんだんダルくなって本線で注意力が散漫になりそうな気がします。

 

 

北海道やアルバニアならともかく、

関東近郊で、しかもこの運行頻度で第四種が残っているのは不思議なレベルです。事なかれ主義のJRにしては死人まで出たのに残っているのは変な意味で奇跡です。

 

 

こういうのを危険だとか人災だとか大騒ぎするのは分かります。制度が発達するとそんなもんです。

私個人としてはこんな踏切が後世にも残ってほしいと思っています。

近隣住民も列車通過1分前から大合唱する警報機なんて望んでないでしょうし。

 

 

 

撮影:Aug.01.2019

 

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