Родопската теснолинейка
ブルガリアで唯一ナローゲージが現存する区間がある。
2018年に一度乗車しその日からいつか撮影したいと思っていた。3年の時を経て念願の沿線撮影をしたので、撮影地を紹介する。
正式名称の訳は「ロドピ山脈の狭軌鉄道」Родопи山脈はブルガリア南部の山脈だ。鉄道はその山岳地帯を走る。僕がここまでブルガリアが好きなのはこの路線のおかげと言って良い。
ナローゲージには夜行列車があり、これに乗った時の衝撃は半端ではなかった。2019年に乗車記を書いているのでどうぞ。乗り鉄にも撮り鉄にもお勧めできる路線だ。
Septemvri – Dobrinishte 線
全長 125km
運賃 セプテンブリ-ドブリニシテ 6.60Lv (400円弱)
軌間 660mm
この路線はブルガリアに唯一現存するナローゲージだ。以前は他にも路線があったが今は廃線になっている。
BDZ Class75, 77
この路線を走る愛らしい真っ赤な機関車はBDZ Class75という。ドイツのヘンシェル カーセルの街で1965年に生産された。合計10両。
57年前のディーゼル機関車が山間地域をゆっくり上っていく姿は「良い」としか言いようがない…(ボキャ貧)
またClass 77というのもある。僕は見た事ないのだがこちらはルーマニアFUAR製 1988年。製造数は10両。
77002 は2022年に近代化改修が完了している。(参考yotube)
撮影記 1日目
22.12.2021
列車はゆっくり走る。並行してよく整備された道路があるため、レンタカーで簡単に追っかけ撮影ができる。
125kmの距離の所要時間は最速の急行が4時間25分、その他の普通は5時間から5時間25分だ。
終点(ドブリニシテ)から追いかけるのと、始発(セプテンブリ)から追いかける方法がある。僕は始発側から追っかけをした。
No.1661。セプテンブリ8:50発。始発のセプテンブリ駅を出てすぐの地点。国道84号から未舗装の農道で線路際まで行く。犬がいるので注意。
場所:42.196907, 24.131483
標高240mと低く、雪は無い。
No.1661は4往復中唯一の急行列車、再速達列車だ。3両目にビュッフェもついている。
始発の町セプテンブリは14世紀にオスマンに破壊され、15世紀にSara Khan beyという名前でトルコに再建され、1949年に現在のセプテンブリ(10月の意味)になった。
Велинградの少し西の踏切にて。ここで逆方向のNo.16102 を撮影できる。
場所:42.031775, 24.022356
No.1661 追っかけで2度目の撮影。ヴェリングラード駅を出発した付近で標高745m。
結局10分以上遅れた。
場所:42.010021, 23.988704
No.1661 Rila National Parkの白い山々を背に走る。
もっと雪原っぽくなって欲しかったが仕方なし。奥の丘は雪に染まって欲しかったな。
この跨線橋撮影地は2日目2枚目に行く山バックと同地点。
交通量が多い分岐道で駐車しやすい場所がない。適当に路駐すると親切なブルガリア人は写真撮ってネットにさらしたりせずその場で怒ってくれる。雑な路駐は止めよう。
場所:41.886506, 23.500341
最後にRazlog~Banskoの道路と並行して走る部分で撮影した。(ラズログ-バンスコストレート)ここは道路沿いで簡単な撮影地だが、田舎にしては異様なほど広告看板があり台無しなので没。(アコムの看板が入ってダサいみたいな気持ち)
2日目
23.12.2021
セプテンブリ-ドブリニシテ線は終点ドブリニシテに向かって標高を上げ、山中~高原に入っていく。奇麗な山をバックに撮るなら麓のセプテンブリ側よりも終点ドブリニシテ寄りの方が良い。
ロドピ登山鉄道は1日間の撮影だと考えていたが1日目に山をバックにした撮影地を発見した。あの撮影地を見つけて帰るのは無理だったのでバンスコで急遽宿泊。
ぐっすり寝てから出撃。
№16231 この列車はRazlog発 Dobrinishte行の区間列車だ。
場所:41.826463, 23.547090
只の直線区間と思って気楽に行ったが、意図せず山が背景に入れられる構図で満足。朝は-10まで冷え込んだが、来た甲斐はあった。
№16104 跨線橋から撮れる山バックの撮影地。
Национален парк „Пирин“(Pirin National Park)の山々を背後に走る。
場所:41.886506, 23.500341
今日はこの16104列車を追いかけて40kmほどセプテンブリ方面に戻る。
Аврамово駅に進入する列車。バルカン半島で最も高い標高1267 mの駅だ。
雪原カットを撮ろうと思惑通り、標高が高いだけあって十分な積雪があった。
達成はしたがこの撮影地は非推奨。農地なんだか荒地なんだか畔なのかもはや判別がつかない斜面を突破する必要があり、深い積雪で靴がずぶずぶになる。写真はともかく足にダメージが大きすぎる。夏のカットがバーンビルダーにある(バーンビルダーはもう少し左(西)で撮ったと思われる) 77 009 der BDŽ in Avramovo
場所:42.036001, 23.815715
乗り鉄
2022年12月25日に再訪し乗り鉄した。
セプテンブリ駅
セプテンブリ駅は特別なことはないモダン建築。通常ゲージのホームとナローゲージのホームは少し離れており、地下通路で結ばれている。
地下通路を抜けてナロー側へ行く。
構内を歩いているとブルガリアでは珍しい機関車を見つけた。
ロシアのナローゲージの代表格, ТУ7という機関車が入れ替え機として活躍している。
ブルガリア語とラテン文字併記で書かれたエモいサボ。
地名もロシアとは全然雰囲気が違う。
エモい沿線風景
8:50発 急行No.1661に乗車する。
この列車は路線内唯一の優等列車だ。(僕が3年前行ったときは設定されていなかった)急行と言っても機関車も客車も全部古いので渋い空間は各駅停車と何ら変わらない。通過駅が多く所要時間は短い。通常は5時間以上かかるが、この列車だけは所要時間4時間20分。
山岳路線ならではの風景を、ゆっくり左右に繰り返し曲がりながら走る。
客車と機関車のサイズ感がたまらない。ナローゲージの魅力だ。
他の普通列車は4連だが、ビストロカーが付いているので少しだけ迫力がある。
この列車は蒸気暖房だが、5両目になると湯気の圧力が落ちているのか全然暖かくない。冬場は前よりの車両に乗ると良い。
ソフィアで朝食を抜いてきたのでビストロ車両に行ってみると、スナック菓子かコーヒーかジュースかアルコールしか売っていなかった。
何も食べないわけにはいかないのでポテチとファンタを購入。
売店おばさんがテンション高かったので、前々日に撮り鉄した写真を見せたりした。
列車はバルカン半島最高所の駅Avramo駅を通る前に、2か所のループ線を通る。が、ポテチで腹いっぱいになったので寝る鉄してしまった。まあいいけど。
車窓からこの間撮り鉄した地域が見られるのは楽しい。
4時間強で終点ドブリニシテに到着する。
13:15着。終点では晴れていた。
レンタカーで撮り鉄してたのがバカらしくなるくらいエモい。乗り鉄は良いですね。
駅舎は工事中で、マイスター(瓦職人か?)の陽気なおっさん3人に絡まれた。
折り返し14:40の急行に乗って帰ることもできるが、ここから徒歩で再履修に向かう。
撮り鉄をした後ソフィアまでバスで戻る。
再履修
№1662
1日目にピント外しをした撮影地があった。幸い徒歩可能の場所のため即再履修することにした。加えて幸運なことに午前中は曇りがちだったが午後は雲が撮れた。
場所は2日目の1枚目と同じ踏切。終点ドブリニシテでの折り返しが1時間25分あるので徒歩で間に合う。
場所:41.826463, 23.547090
徒歩可能。ドブリニシテ駅より1.6km
帰りの列車には乗れなくなるがソフィアへはバスで帰れる。列車はソフィアまで6時間以上かかるが、バスなら3時間なので時間的にも効率的だ。
おわり
この路線は今の所地球で一番好きだと思う。
僕はもうだめかもしれない。
参考URL
バンスコのライブカメラ
https://www.banskoski.com/bg/webcams
банско камера погодаとかでググると雲との情報戦に勝てるかも
標高計測参考サイト
Flood Map: Elevation Map, Sea Level Rise Map
セプテンブリドブリニシテ線wikipedia
Septemvri–Dobrinishte narrow-gauge line – Wikipedia