NSZ代表取締役山本です。
世界最小国家、Užupisという国をご存知でしょうか。
マイナーどころではないくて、ほぼ無名だと思います。
自称国家なので
uzupisって何
uzupisは正確には国ではありません。リトアニアの首都ヴィリニュス(vilnius)の一つの地区です。
だから国連にも世界のGDPランキングにも載ってないです。
リトアニア(Lithuania)はバルト三国の一番南の国です。ポーランドと接しています。
リトアニアの首都ヴィリニュスの東寄りに「ヴィリニア川」という川が流れています。
ヴィリニア川は歪曲してるのが見えると思います。そしてVilnia川に囲まれた一地区がウズピスです。
面積は60ヘクタール(=148エーカー=0.6km^)
東京ドーム12.8個分。ディズニーランドとシーを足すと約1km^なのでそれよりも小さいです。
ちなみにバチカンは0.4km^なので、全然世界最小じゃないやんけ!
まあ細かい事は良いんです。
人口は7000人です。
…….
この地区は古くからユダヤ人街がありました。
ソ連時代には、ソ連の政治家の銅像が立ち並んでいました。
ソ連崩壊後銅像は撤去され、空白の土台だけが残りました。
1995年、地元の芸術家がその空白の土台を利用し、
自由の象徴としてフランクザッパ(アメリカのロックシンガー)を経てたそうです。
1997年4月1月にウズピス共和国(The Republic of Užupis)
として独立を宣言しました。
この国の成り立ちはエイプリ―ルフールのジョークなんです。
užpis-a-tiny-republic-of-free-spirits -BBC
Užupisの憲法
Uzupis憲法は41条の条文があります。
Užupis-wikipedia en
原文の英語はこちらをご覧ください。
以下訳文
1.誰もがヴィリニア川のほとりに住む権利がある。そしてヴィリニ川は人々のそばを流れる権利があります。
2.誰もが暖かいお湯を得る権利があります、冬にはあたたかな暖房の権利があり、頑丈な屋根の下で過ごす権利があります。
3.誰もが死ぬ権利があります。しかし、義務ではありません。
4.誰もが間違う権利があります。
5.誰もがユニークである権利があります。
6.誰もが愛する権利があります。
7.誰もが愛されない権利があります。しかし、義務ではありません。
8.誰もが区別されず、名もない人物である権利があります。
9.誰もが怠け者である権利があります。
10.誰もが猫を愛し、可愛がる権利があります。
11.誰もが犬の世話をする権利があります。その犬がこの世を去るまで。
12.犬は犬らしくある権利があります。
13.猫には飼い主を愛する義務はありません。しかし、飼い主が必要としたとき、必ずや助けてくれるでしょう。
14.たまには、誰もが彼の義務を忘れる権利があります。
15.誰もが猜疑心にかられる権利があります。しかし、義務ではありません。
16.誰もが幸せになる権利があります。
17.誰もが不幸になる権利があります。
18.誰もが静寂を享受する権利があります。
19.誰もが信仰の自由を持ちます。
20.誰にも暴力をふるう権利はありません。
21.誰もが彼ら自身がが重要でないことに感謝する権利があります。
22.不死身になることはできません。
23.誰もが理解する権利があります。
24.誰もが何も理解しない権利があります。
25.誰もがいかなる国の国籍でも持つ権利があります。
26.誰もが自分の誕生日を祝う権利があり、自分の誕生日を祝わない権利があります。
27.名前を覚えてくれるかもね。
28.誰もが、自身の所有物をシェアするでしょう。
29.誰も、自分の持っていないものはシェアできません。
30.誰もが兄弟、姉妹、両親を持つ権利があります。
31.誰もが独立しているでしょう。
32.誰もが自身の自由について責任があります。
33.誰もが泣く権利があります
34.誰もが誤解される権利があります。
35.誰も、他者を有罪にすることはできません。
36.誰もが一個人である権利があります。
37.誰もが権利を持たない権利があります。
38.誰もが怖がらない権利があります。
39.打ち負かしてはならない。
40.復讐してはならない。
41.降伏してはならない。
Π.全ての人工知能は良い人間の心を信じる権利があります。
まじで良すぎる。
こんな暖かい憲法が存在したでしょうか。
人間的な憲法は私に大きな影響を与えました。
秀逸な条文
………
3条:誰もが死ぬ権利があります。しかし、義務ではありません。
ここでは死んではいけないということも無いのです。
………
16条:誰もが幸せになる権利があります。
17条:誰もが不幸になる権利があります。
ここがこの憲法の素晴らしい所です。
押しつけがましい社会で暮らしてませんか?「幸せにならなければいけない。不幸な事は悪い事だから。幸せになろう」
幸せが善だと思っていませんか。そんな考えはクソです。いつだってどっちに転ぶかわかりませんし、幸せが善なんて考えのせいで不幸になった時困るんです。
別にどっちだっていいんですよ
「つらいけどがんばろー」みたいなのもう辞めにしませんか。つらいままで最悪のままでおっけー
…….
18条:誰もが静寂を享受する権利があります
ここには「五月蠅くする権利があります」って反対となる条文が無いんですよね。そこがまた最高です。
不幸になってもいいけど騒音はクソです。
……..
14条:たまには、誰もが自分の義務を忘れる権利があります。
9条:誰もが怠け者である権利があります。
この2つも良いですね。
あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ。それが義務だから。やらないと怒られるかも。白い目で見られるかも。つまはじきにされるかも。
真面目な人ほど陥りがちです。
たまにはやるべきことをやらないで怠けましょう。
怠け者になりましょう。
…….
12条:犬は犬らしくある権利があります。
13条:猫には飼い主を愛する義務はありません。しかし、飼い主が必要としたとき、必ずや助けてくれるでしょう。
すこ。
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“I wrote about the cats, because I am a cat man. [Lileikis] wrote about the dogs, because he is a dog man,” Čepaitis explained. It is a poetic balance. |
(Čepaitisさん):憲法を作るとき俺が猫について書いたんだ。猫好きだからね。そしたらLileikisは犬好きだったから、犬について書いたんだ。これが政治的バランスだよ。
すこ。
……
21.誰もが彼ら自身がが重要でないことに感謝する権利があります。
凄い人間にならなくていいんです。普通の人間で。
……
Π.全ての人工知能は良い人間の心を信じる権利があります。
AIの条文もあるのかよ。(褒め)
…..
41条:降伏してはならない。
降伏してはならない。
…….
自由な国Uzupis
Uzupisは自由な国です。
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“The main thing is to be recognised. You can say I’m a Minister of Soccer or a Minister of Frisbee, and that’s OK, you can be. But you need to be recognised,” Lukoskinas said, adding that he understands the attractiveness of this freestyle kind of politics. |
「重要なのは承認されることです。あなたは「私がフットボール大臣だ」とか「私がフリスビー大臣だ」と言えばいい。それでオッケーです。
でも承認される必要があります。
…これがフリースタイルな政治の魅力的な所です。」
自由っていいですね。
堅苦しい社会制度にいつも浸っているとフリスビー大臣なんて考えられませんが、人はここまで自由でもオッケーなんですね。
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The republic celebrates its independence annually on 1 April, known locally as Užupis Day. On this day, travellers can get their passports stamped as they cross the bridge into the republic (every other day, the border is not guarded), use the local (unofficial) currency and treat themselves to the beer that flows from the water spout in the main square (yes, really). |
「4月1日はUzupisの建国を祝います。地元では「Uzupisの日」として知られています。4月1日にUzupisに行けば旅行者はパスポートにスタンプを押してもらえます。独自通貨もあります。」
通貨もあるのかよ。
uzupisに行くなら絶対4/1に行きたいですね。
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The Republic of Užupis has piqued tourists’ interest since its inception in 1997. The unintended consequence is that the republic has experienced some gentrification and development, which has prompted a spike in property prices. |
This mixture of dream and reality is the best I could’ve hoped for when we began all this
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“Right now this is the second most expensive part of Vilnius, after Old Town. No artist could allow themselves to buy an apartment now – you’d have to be famous and rich.” Lukoskinas said. |
「Uzupisは人々の興味をそそりました。
ジェントリフィケーション(都市の高級化)を経験し、不動産価格は上昇しました。今ではヴィリニュスの中で最も地価が高い地域です。
そのせいで新たに住みたい芸術家は家を買うことはできません。」
自由の精神が人気になり過ぎて、地価が高くなってしまったとのこと。
užpis-a-tiny-republic-of-free-spirits -BBC
こんな感じで色々面白い国です。
リトアニアに行ったら絶対訪れてみたいです。
私は2018年にヴィリニュスには行ってるのですが、その時ウズピスの事を知らなかったんです。
次は必ず行きます。もちろん4月1日に。
行き方
Vilniaus geležinkelio stotis (ヴィリニュス駅)
ヴィリニュスの中央駅からウズピスの入り口の端まで1.6kmです。
旧市街のすぐ横の川を渡ってすぐの場所なので、あなたが旧市街に居るならすぐ200m東に歩けばオッケー。
了