この投稿は一部の読者を不快にする可能性があります。
今日は旅行とは関係ないです。
内容はタイトルのまんまです。
なぜ人は風邪で出社するのか。風邪で出社する会社員の行動原理を解明してみました。
我々はそれを阻止することはできるのだろうか(遠い目)
前提)どうせ有給余ってるよね?
目次
風邪で出社してくるのは日本だけじゃないようだ
BBCの記事です。
BBC – Capital – Why do ill people still come in to work?
この中で英国の統計とアメリカピッツバーグ大学、2国での風邪で出社する社員問題が書かれています。
ピッツバーク大学の研究の元はこちら。
Policies to Reduce Influenza in the Workplace: Impact Assessments Using an Agent-Based Model
世界で普遍的というと言い過ぎになるかもしれません。少なくとも米英では見られる減少です。
そして私の実体験として日本でも酷く蔓延っています。みなさんも周りで経験があると思います。
全会社員の11%は職場で風邪をうつされました
咳をごほごほ繰り返しているのに出社してくる社員。
何が迷惑かといえば当然、他人にうつす可能性があります。
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according to <a href="https://ajph.aphapublications.org/doi/full/10.2105/AJPH.2013.301269">a 2013 study</a> by the University of Pittsburgh. Researchers used population data from more than 500,000 employees in an epidemic simulation in Allegheny County, Pennsylvania, to calculate the hypothetical spread of the influenza virus. The results showed that 66,000 infections – 11.5% of the total number of employees – were caused through workplace transmission. |
ペンシルベニア州ピッツバーク大学が実施した2013年の研究によるとペンシルベニア州アレゲニー郡で働く労働者50万人のうち、
11%の66000人が職場で感染症にかかりました。
風邪で会社に来た社員のせいで感染者は40%増加する。
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The study’s most telling scenario implemented a “one or two flu day” stay-at-home policy, resulting in nearly 17,000 fewer infections for a one-day policy (about a 25% drop) and 26,000 fewer cases for a two-day policy (a nearly 40% drop). |
実験のため「風邪になったら2日絶対休めポリシー」というポリシーを作りました。
このポリシーを採用したところ、ポリシーがない場合のインフル感染者は66000人に対し、26000人インフルの感染者減少したました。つまり40%の減少です。
この実験の面白い所は
インフルだったら休めではなく
風邪なら休めというポリシーによってインフル感染者が40%減少する所。
だって風邪かインフルかなんて本人には初めての時点ではすぐには分かりません。
体調不良を感じたら須らく休むべきなのです。
他人にうつすとどんな不都合があるか
他人にうつすと何が悪いでしょうか。
1.うつされた人は風邪で不快
当たり前ですが風邪はつらいです。それが隣に座ってる社員から貰ったのならなおのこと不愉快です。
ブッダやガンジーならともかく、僕はむかつきます。
2.他人に移したら更に仕事が滞るんじゃないの
ここでAくんという人物を仮定します。
Aくんは風邪をひいたら速攻で2日休むポリシーで生きています。
何となく熱っぽいのでとりあえず休みました。
おや、病院に行ったら風邪ではなくてインフルでした。5日休むしかありません。
仕事は5日分滞りました。
A’君は風邪で無理矢理出社する真面目で迷惑な人間です。(エーダッシュなので風邪でもダッシュして通勤します。)
A’くんは真面目なので「パブロン飲んだから大丈夫す!」とか「マスクしてるから平気す!」などと宣っています。
悪いニュースです。残念なことに平気ではありませんでした。
A’くんはBさん、C課長、Φくん(Φくんはギリシア文字を使ってるだけあってイケメン)に感染症を蔓延させました。なんと風邪だと思ってたらインフルだったからです。Bさん、C課長、Φくん(イケメン)の3名は5日間の出勤停止です。
3×5で15日仕事が滞りました。おめでとうございます。
こんな話は簡単に想定できます。
究極的に考えれば移された社員たちは、移した社員が治った頃を見計らって風邪になって全員休んで思い知らせてやればざまあみろと面白くていいんですが。
流石にそれでは組織が困りますからそうも行きません。
3.咳がうるさい
こっちは集中できません。風邪で来るくらいなら退職してください。邪魔です。
実体験 – 風邪で来る真面目くん現る
2019年2月、私の隣の席の社員Kくんが風邪で出社してきました。
なんてこった!
仕方がないのでK社員にそれとなく休むよう進言してみました。
山本「あのお 差し出がましいようですが、休んだ方がいいんじゃないですか?」
K社員「でも明日はhogehogeの会議があるし、次の週もhogehogeの(彼にとっては重要な作業らしい)があるから、休むとしても再来週ですね」
山本「は?????(声に出そうになった)」
こいつは何を言っているんだ。
私が提案したのは有給消化の話ではありません。現在あなた様が直面している風邪という事象に関して休めと言っているのです。
同じ言語を話していても人間は分かりあうのは無理のようです。バベルの壁はあっても無くても結局人類は分かり合えなませんでした。
風邪社員が休んでいい明確な理由
Q:「明日は会議がある。XXがある。アポイントがある。だから休めない」のは正しいのか?
A:ありえません。
会議なんて後で議事録を読めばいいし、
こっちが風邪ならアポイントをキャンセルしても先方は理解してくれます。(そんな事で怒るような先方だったらもう関係を断ち切るべきでしょう)
仮に風邪でそいつが1日休んだところで(少しだけ困ることがあっても)組織全体では全く全然困りません。
その一人が病欠したくらいで倒産する会社はありません。
考えてもみてください。スティーブジョブズが死んですらアップルは潰れてません。
ビルゲイツが死んだ翌日に倒産するマイクロソフトがありますか。
あ、ひょっとしてあなたはジョブズより凄い人間なんですか?へ~すっげーーwww(煽り)
あなたはそんなに重要な人間ではないのです。
※自尊心を壊す発言をお詫び申し上げました。
こんな事、理性がある人間ならみんな分かってるはずなんです。認めましょう。銀河にとってあなたはノミ以下の大きさです。
なぜ風邪でも出社しようとするのか。
前章のように宇宙的視点の哲学的境地、悟りの段階で全部解決すれば良いのですがね。
悲しい事に我々は社会に生きるだけあって悟りだけではどうにもなりません。どうしてももっと小さな理由に左右されます。
それらを分析してみます。
説1:外的要因
上司に本当のことが言えない?
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The study further found that employees were much more likely to lie to their boss about the reason for staying home if the cause was related to mental health (39% would tell the truth) rather than physical health (77%). |
「調査によると、病気で休む時に上司に本当の事を言う確率は、肉体的な問題では77%、メンタルヘルスでは39%です。」
精神疾患の場合ほど本当のことは言えないとのこと。
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Instead, experts say a shifting work culture is to blame for creating a stigma around taking time off. Studies show that mistrust and fear of judgment from bosses have forced an increasing number of employees to come to work when sick. |
「病気で休むことが悪とされる職場文化にシフトしつつあります。
上司から信用されないことを恐れるあまり、多くの会社員に風邪の時出勤を強いられています。」
上司の顔色を窺って出勤する人が多い という事です。
「どうせ仮病だろ」と思われることが怖いのです。
それが評価の低下、ひいてはボーナス減額になる事を恐れて休めない可能性があります。
さらにイギリスの場合、
「技術の発展によりリモートワークが可能になったが、それによって上司が部下を監視できなくなった。
そのため上司が部下の風邪になったとの報告を信用しなくなり、近年では「会社に居れば良い主義=presentism」が逆にはびこっている。
部下は上司に信用されていないことを恐れるせいで休めなくなる傾向が進んだ」
とのこと。(同じくBCCより)
イギリスのOffice for National Staticsによると
「1993年には平均的な雇用者は年間7.1日病欠していたが、2017年には年間4.1日まで減ってしまった」そうです。
まあ日本の場合なんて昔からpresentism(職場に居れば良い主義)の塊でしたがね(白目)
上司の信用を失う怖さの解決方法は難しいです。
もしあなたが上司の地位で、理性がある人ならば体調が悪いときは”休んでも私は評価を下げたりしない”と公にするのが良いかもしれません。だって、あなただって風邪の部下に来て欲しくはないでしょう?
部下を集めて全員の前で表明するのなんて5分で済むはずです。
もしあなたが低い立場だったら、上司ガチャ(理性ある良い上司だといいよね)なんですが。
日頃から上司と普通に会話を多くするよう心がけれるのは有効かもしれません。普段から話してれば自然と単純接触効果でお互い信用度が上がります。
単純接触効果
単純接触効果というのは心理学の研究で明らかになりました。興味もない相手であっても合う回数が増えるだけで特に理由もなく高感度が上がるというものです。1968年アメリカの研究で発表されました。
これは上司部下関係なくお互いに有用な方法です。
前イギリスの例では”リモートワークの発展で上司は部下を信用しなくなった”とあります。
単純接触が失われたことが原因の可能性があります。
仮説2:内的要因
※ここはあくまで私の仮説です。ランダム化対照実験を行ったわけではありません。やりたいけどね。
皆勤賞ってありませんでしたか。なぜか学校を1度も休まなかっただけでえらいと褒められる制度です。
皆勤賞なんてなんも偉くありません。ただ毎日バカのひとつ覚えみたいに同じ場所に行っただけです。
休まないことはアホでも出来ます。
それをもてはやす大人が最悪のアホです。
そんなことを子供に教えてきた、または今現在教えている親や教師は己を恥を知るべきです。公衆衛生を蔑ろにしてます。
そんなことを教える悪い大人のせいで山手線や京浜東北線に風邪菌やフルウイルスが飛んでいるのです。
小学校を休もうとすると親が言いました。「7度台なら大丈夫」とかね。
教育機関は微熱だろうと咳だろうと家に帰す必要があります。こんな所で教育論なんか言ってもしゃーないけど。
摘み出してでも帰すべきです。
体調不良時には家にいるのが当たり前だと幼少期に植え付ける必要があるでしょう。
風邪でも皆勤が偉いなんていうのは教育ではありません。教育の失敗です。
子供は本当に視野狭窄です。世界はそこだけです。子供は他の考え方があることを知りません。
そんでもって人間は案外小さい時に植え付けられたことは守ります。
それが相対的に悪しき考えてあっても風習として守り続けます。
そんなもん今断ち切りましょう。
負の連鎖を断ち切れる時は今、あなたです。
休むかどうかを状況に応じて判断するのではなくチェックリスト化しよう
人間は自分が理性と判断力があると思いたがります。
残念ながら現実は違います。人間ほど状況判断がヘタクソな動物は居ません。
風邪で出社するのはミスです。
もはや重大な危機管理の失敗です。
もうね、チェックリスト化しましょう。
駄目な例:
- 腹痛なら行けるかも。
- 37度でもまだ微熱だしね
- 咳が酷いけどマスクすれば大丈夫そう。
- 鼻水が止まらないけど薬飲めば大丈夫だ。
- 冬だったら流行の時期だけど、今は夏だじゃら大丈夫さ。
- 状況に応じて判断しよう!
- でも低気圧や頭痛は休むけどね!
- ….etc
ひょっとしたらその37度はインフルの初期症状かもよ。
OK :
チェックリスト:
- 37.0度以上→休む
- 咳が出る→休む
- 鼻水が黄色い→休む
- 体に少しでも違和感がある→休む
- 精神的にだるい→休む
- 薬は飲んだとしても休む
- 風邪流行の時期かどうかは関係ねえ
全部とりま休みましょう。
37.0度あったらもう休みましょう。
おわりに
休め。
休めよ日本人。
書いた動機は、先月隣の席の社員のせいで風邪がうつったという私怨でした。(オチ)