白馬山頂簡易郵便局に行った 郵便局巡り【2021年夏】

 

 

郵便局巡りという趣味がある。日本には約24000件の郵便局があり1件ずつ貯金して局名のゴム印を通帳に押してもらうという高貴な暇人のためにあるような趣味だ。僕は今6880行っている(暇人)。

人によっては加えて風景印や只の消印を集める人とか切手収集が好きな人も居るらしい。僕は好みの図案のときだけ風景印を手に入れる。

 

郵便局は平日しか開いていないので社畜には難しい趣味だがごく少数休日も営業する郵便局がある。新東京郵便局みたいな巨大な郵便局もその一つだが、休日でもやっている郵便局としてレアなのは「山頂郵便局」だ。夏限定で開局し、その期間はおおむね土日も関係なく営業する。※貯金はない

 

 

山頂郵便局

 

日付は全て2021年

  • 富士山頂郵便局 (特定) –2021はCovidで中止
  • 乗鞍山頂簡易郵便局 契約解除
  • 白馬山頂簡易郵便局 – 7/1~8/31
  • 白山山頂郵便局 (特定)- 2021はCovidで中止
  • 立山山頂簡易郵便局 – 5/1~11/5
  • 上高地郵便局 (特定)- 4/27 ~11/15(4月27日~7月14日、9月1日~11月15日の間の水曜日は、業務を休止)  

 

これらが今ある山頂郵便局だ。上高地は山頂ではないが似たようなコンセプトなので仲間に入れた。

色々間違ってたのでこちらを参考にしてください。

富士五合目簡易というのもあるそう(そういや前行ったけど忘れてた)富士五合目は、ほぼ通年やっているが、有料道路が閉鎖しているときは非営業。しかも貯金は夏季のみという面倒なパターンだ。とりあえず変な時期は避けて夏山シーズンに行けば貯金できる。

 

Covidのせいだと思われるが富士山と白山(石川県)は2021は非営業。

よって2021年に行ける郵便局は白馬山頂と立山山頂と上高地のみということになる。

富士山頂郵便局は2019年に行ったので、僕はいつ廃止してもらっても構わない(ひどすぎ)

富士山頂郵便局で局留めは出来るのか

 

先述したが山頂系は土日も期間中営業しているので月金社畜も訪問が容易だ。

今回は営業している3つのうち比較的簡単に行ける(大嘘)白馬山頂簡易郵便局に行くことにした。

 

 

貯金はやってない

 

局巡りのメジャーなのは貯金してゴム印を押してもらうことだが、山頂局は(富士五合目簡易除き)いずれも郵便のみなので、要訪問局にカウントするかは人による。(貯金のみ回る人は行っても意味ない)

貯金無しの郵便局は今回の山頂系の他にも銀座、新東京、日光東、大阪国際郵便局みたいな集配専門のところが有名だ。また農協受託の簡易郵便局は為替のみやっているところが多い。

 

 

白馬山頂簡易営業時間

 

白馬山頂簡易は 5:00~21:00の営業 多分簡易局で一番長いと思う。

ただ、山小屋の職員がついでにやってるだけなので21時に行ってやってくれるのかは謎。

 

実際に行ってみた

 

猿倉の駐車場は無料。山荘のすぐ横にある。

 

2021年7月25日、深夜に長野県白馬村の猿倉登山口に到着し、車中泊をしてから出発。

出発時間は朝5時だ。

なんでそんな朝かというと、早朝のまだ気温が上がっていない時間に歩いてしまわないと、無茶苦茶暑い時間に歩くことになり体力を余計に消耗するからだ。体力がない僕のような人ほど朝早く行かないといけない。

(今回のような有名登山道ではありえないが)道に迷ったときに日が暮れて危険だから、小屋,テント宿泊なら15時までについてるよう予定到着時間をかなり余裕見ておくのが普通だ。とりあえず早めに出発すれば大丈夫。

 

ルート -猿倉から村営宿舎

 

 

猿倉~白馬山は大雪渓があることで有名だ。大雪渓とは何かわからんけど氷河みたいなの(適当)の事。多分アルゼンチン氷河の小さいやつだと思う初めて行くから知らんけど。

白馬山頂簡易郵便局は山頂にあるのではなく、村営白馬頂上宿舎内にあるので、本当の白馬岳山頂よりも近い。

googleMapで見ると猿倉~簡易郵便局は直線距離で4km。僕が自動車くらい早ければ5分で行ける。それはないけど。

直線距離で4kmなら簡単に行けるに違いない(名推理)

 

 

出発

 

5:00AM

猿倉の山小屋では登山届を出すところがあるので、真面目な僕は書いておく。

登山届を出すとお兄さんが「秋の道を歩いてください」という。大雪渓は一部区間で分かれて夏の道と秋の道がある。夏の道は雪上を歩く距離が長くなる。7月で秋ってことはないのでもう夏の道は使ってないのだろう。

 

最初はエクストレイルなら走れるレベルの快適な道路を歩いていく。

数人のグループは談笑しながら歩いていくが僕は異常独身全裸中年男性なので言うまでもなくぼっち。小田急で事件を起こさないか先が思いやられるが、そんな遠い将来の事より今は目の前に横たわる巨大な山塊に集中すべきだ。

 

 

ところで沿道には水が湧き出していてすぐ飲める。

万全を期して3リットル持ってきたが全く要らなかった。その辺の水道水より圧倒的に綺麗な水が湧き出していた。

埼玉県の汚水をそこらへんに捨てて、代わりに北アルプスの天然水(ガチ)を汲んでいく。

こういう野生の水って変な菌とか虫の死骸とか入ってないの?という忌避感を示す人が居るが心配は無用だ。普段の会社勤務によるストレスに起因する下痢のほうが確率が圧倒的に高い。(CDC調べ)

 

 

6:00

白馬尻山小屋(雪渓手前にある)どう見ても廃墟にしか見えない。

冬は雪が多すぎて倒壊するので、毎年秋に解体して登山シーズンに建てるが、今年はCovidで営業しないから建てなかったとのこと。後で偶然会った山岳救助隊の人がそう語っていた。

出発から1時間なので丁度コースタイム通りだ。

 

 

6:20

雪渓が始まる場所に到着。

ここから雪渓なのでアイゼンという装備を靴に設置する。

 

赤い所が歩行路ということになっているが、無視しようと思えばどこでも歩けるワイドな歩道だ。

 

いかがでしたでしょうか記事ではアイゼン必須とか宿泊しろとか書いてある。対して達人が書いたと思われる報告では「かならず雪渓を横切る場面があるのでアイゼンはあるにこしたことはない(無くても慎重に歩けば必要なし)」とか凄まじいことが書いてある。9/23に歩いた報告なので殆ど溶けてしまってたからだと思う。7月に上るならアイゼンは必須だ。

 

ところでアイゼンは山岳ショップで買えば6000円は下らないはずだ。何気に高級品だ。

僕は登山家ではなく郵便局巡らー、それもできるだけ金をかけずに回りたいケチな局巡ラーである。

 

1700円。

今回はこの中国製アイゼンを使用している。評価は悪くないのでいきなりゴムが切れたりしないはず。そもそも登山靴がパチモンであり富山のイオンで買った見た目だけ登山靴(撥水機能無し)なのでアイゼン以前に問題がある。

仮にこの装備でコケて死んだらアイゼンを作った中国人の工場の人の面目が潰れるので、彼らの名誉を守るためにも事故はあってはならない。気の引き締まる思いである。

 

 

雪渓の上では、遮る樹木が無いので、太陽の直射日光がひどいから帽子は必須だ。メキシコシティで買った麦わら帽子は太陽光線から僕を守ってくれる。

雪渓でなくても高山では帽子は必需品だ。

 

白鳥のような足運びで雪渓を登っていく。これは異常独身全裸中年男性には難しい。ただ中国製アイゼンは頼もしくスリップする様子は全くない。

時々左手からライトな落石の音が聞こえてくるし実際目視できる。

もし偶然ハードな落石に出くわしたら僕のこのつまらない人生にピリオドを打つことが出来るだろう。

 

 

7:22

大雪渓を登り切った。

雪渓スタートが6:20なので1時間程度。全体では5時スタートなので2:20の歩行だ。

全体の直線距離は4キロ。ここは約半分なので残り2kmだ。

 

通常の砂利と岩の登山道に戻る。ここから小雪渓までが過酷だった。

マジで過酷な道の始まりだった。

 

角度がおかしい。直線距離で4kmといったが山で直線距離なんて意味は無い。大腸のように曲がりくねってる可能性はあり、事実曲がりくねっていた。

砂利道というよりも岩の道で、足場が選びづらい。

 

北アルプスの本気。デスクワークのみで猫背でワークアウトはしてないひょろひょろの中年男性は大ピンチだ。

手元のスマホを見てもGPSがちっとも進まない。

ほぼ半分終わったぜ!と思ってた僕がバカでした。

工数見積もりに失敗して炎上するPMのように。

 

有機物

たまに綺麗な高山植物があるが、僕は局めぐらーなので品種の名前は分からないが有機物であることは確かだ。

 

小雪渓

 

8:27 小雪渓に到着。小雪渓は上に登っていくのではなく、単に横切るだけだ。アイゼン必着とかいてあるが、付けないこともできる。(フランス人式警告無視)

 

休んだりしつつ、小雪渓を8:43に横切り終わる。(小雪渓自体は3分で終わるので13分くらい休んでたらしい)

 

 

小雪渓以降は、小雪渓までの絶望的な勾配は消え、比較的緩やかになる。GPSを見てもさっきより歩いた相応に移動してるのが見えて頼もしい。

これならなんとかなるぜ。

 

最終局面では文明の階段が出現する。ありがてえ

 

白馬村営頂上宿舎

 

9:40ついに到着。

開始から4時間40分。ついに辿り着いた。

今更だが白馬岳は2932m。この村営白馬頂上宿舎は2800m。ふもとの猿倉は1200mだ。

猿倉から宿舎の標高差は1600mあるらしいので直線距離で4kmでも5時間もかかってしまうという惨憺たる結果となった。公共工事とタメ張れるくらいの見積もりの甘さであった。

 

全景。一番大きい建屋の受付に郵便局はある

 

地図に🏣マークがある。

 

 

白馬山頂簡易郵便局

 

中央部のところが入り口 OPENと書いてある。

 

ポストがあり、右手の受付が郵便局だ。

普通の山小屋なので、職員は郵便局やってるより切手を売って消印を押してるだけという感じだった(消印を押してるのでそれは郵便業務だけど)

 

こんな感じで只の受付だ。

 

白馬山の綺麗な記念切手などが売っていると思いきや、63円切手の普通のしかないそう。ポストカードは1枚100円だ。

富士山頂では郵便グッズみたいなポストカードとか切手が色々売ってたが、白馬はシンプルだった。簡易だからだろうか。もちろんレタパとかそういうのは売ってない。

 

あるもの: 風景印、和文消印

ないもの:

欧文、ローラー印、一応聞いたが横長の局名印はないそうだ。

※最初に引用したTwitterの卯饅頭さんによると、大町に郵頼するとローラーをやってくれるそうですよ。

 

「白馬山頂簡易郵便局」という表示は一切なく、臨時郵便局としか書いてない

 

 

正面に白馬山頂局。

側面は、399 9301(白馬村の番号)と、取り扱ってる普通局の名前が書いてある。左側面には「開箱時間11時」と書いてあった。

 

投函したらこの消印を押すとあるが、その場で押してもらって持ち帰ることは可能だ。

 

ゲット

 

 

だぜ。

 

 

下山

 

目的は達成したので下山することにする。

本来なら30分程度の滞在の予定だったが、想定以上の疲労から70分も滞在した。

10:50出発。ところで下山は調子に乗ってダッシュすると膝に非常に負担がかかり、下手すると顔面を強打して痛いので気を付けたい。

 

 

小雪渓までの途中の間に夫婦が「随分早いですね」と話しかけてきた。僕の帽子はメキシコシティで購入したウエスタンな帽子なので、目立ったのだろう。どうやら出発はほぼ同時だったらしいが、夫婦が登ってる途中なのに僕は既に下山だから驚いたようだ。

実は僕は”本当の白馬山頂”には行ってなくて70分程度宿舎で消印を押したり油を売ってただけだ。夫婦はそんなこと知る由もないので、あえて黙っておいて”凄まじい体力がある青年”という設定の優越感を楽しむことにした。(実際は異常独身全裸中年男性)

 

そんな事をしている間に大雪渓に辿り着いた。

登ってきた朝7時ごろと違い、12時にもなると数珠つなぎになっていく人々が見える。雪渓の麓は白馬尻という名前なので、北アルプスの直腸に挿入っていくがビーズみたいに(ひどすぎ)(春樹風)

 

 

リザルト

 

登山: 4時間40分

猿倉500 → 白馬尻 600 →大雪渓下620→大雪渓上 7:22 → 小雪渓8:27~8:40 →村営宿舎 9:40

 

下山: 2時間53分

村営宿舎 1050 → 小雪渓 1117 →大雪渓上1209 →大雪渓下 1244→ 白馬尻? →猿倉1353

 

大体、500~1000で登って1時間休んで1100~1400で降りるという感じだった。合計9時間。

4kmだから簡単っしょ!という目論見は外れ結構きつい登山だった。

 

 

とはいえデスクワーク社畜でジムにも通ってない僕にしては上出来だろう。以下の勝因が考えられる。

  • 早朝出発で、太陽光による体力消耗の削減
  • 中国製のアイゼン
  • 山頂まで行かず、郵便局行ったら即引き返した (山頂まで行ったら+往復1時間)
  • 2Lほど水を途中で捨てて湧き水飲むことした

 

きついことはきついが、登山とは所詮は歩くだけなので歩いてればいつかは到着できる。

 

 

山頂郵便局行くの厳しさ比較ランキング

 

先述したリストの中では、

  • 富士山頂郵便局 – 富士宮口徒歩5:45(済)
  • 白馬山頂簡易郵便局 – 実測値徒歩 4:40 (済)
  • 白山山頂郵便局 – 別当出会から徒歩4時間  (未)
  • 立山山頂簡易郵便局 – アルペンルートの途中なので12000円払えば簡単 (未)
  • 上高地郵便局 –  バスで行けるので簡単 (未)

 

なので、1位:富士山、2位:白馬、3位:白山 残りは全部ザコということになるだろう(ひどすぎ)。

 

僕は要徒歩は残り白山山頂だけになる。あとは金さえ払えば座っていけるが、そもそもCovidでほぼ行けないので仕方ないね。

富士山頂郵便局に行く場合、富士宮口が一番楽ルートで、5時間45分がコースタイムだそう。(標高差1300m)

標高差では白馬が1600mなので、標高差的には富士山より行くのがきつい。

 

※2021年は白馬山頂と立山山頂と上高地以外は閉まっているので注意

 

 

もし白馬山頂簡易に行くなら

 

登山靴、アイゼン、帽子、軍手、1Lくらいの水の容器(途中でタダで補給可能なので1Lで十分)、早起き、大量のチョコ、レインウェア(いきなり降るから)、折れない心

地図とコンパスは使うことは無かった。富士山が山の舞浜ランドだとすれば白馬は山界のUSJなので道に迷う可能性はゼロだ。

 

もし行くなら上の物を持っていた方が良い。

4kmなので余裕理論は只のフェイクニュースであり地味にきついので全く登山未経験者はいきなりは止めた方が良いかもしれない。

とは言え他のスポーツとは違って只歩いてればそのうち着くので、別に大丈夫だと思うけど(無責任)

 

おわりに

 

ダスビダーニャ

 

 

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