アントーノフ AN-24 搭乗記 2023 カザフスタン Southern Sky

 

アントーノフ AN-24 は伝説的ソ連飛行機である。

1959年~1979年に生産された。

Antonov An-24 – Wikipedia

 

2023年になってもそんなもの飛んでるの?と思うかもしれないが、カザフスタンでは未だに毎日定期運航している。

航空会社は южное небо (Southern Sky) である。この会社の保有機材は全てAN24である。信じがたい。

 

搭乗ルート

 

筆者は当初アルマトイ→バルハシに搭乗予定だった。

しかしウランバートル→アルマトイが4時間以上遅れて旅程崩壊。そのチケットはゴミとなった。

 

 

問題は僕は4日後にアスタナ→ミンスクのチケットを持っており、アスタナまで行く必要があったが、夏の時期のカザフ鉄道は常に満席であり、そもそもアスタナに行く事が出来ない!(Air Astana に大課金すれば行けると思うけど)

 

絶望の淵に立たされた僕だったがSouthern skyは僕を見捨てていなかった。

列車でアルマトイ→トルキスタン、トルキスタン→カラガンダ と大きく西回りすれば、旅程復帰できるという大名案を突如思い付く。

 

 

トルキスタン空港

 

実施日 2023年7月5日

 

トルキスタン空港

去年カラガンダ→トルキスタンで使った。まさかこんなマイナー空港に2年連続で来るとは。

 

セキュリティーチェックの前に警官に別室送りされる

 

チケットを無事窓側で発券し、セキュリティーチェックに向かった。

すると背後から警察が。チェックイン前、空港内を一眼で撮ってやりすぎて目立ったせいか、、

 

別室でカメラバッグを開けた後、警察は「俺を撮れ」と言い後でワッツアップで送った。一体何がしたかったんだ。

 

 

AN24爆破オタク(しねぇよ)

 

別室を後にし、手荷物スキャンをする。通常ならCTみたいなのを通して終わる。

しかしその後、カメラバッグを開けさせられ、70-200のレンズキャップを外されてレンズ型爆弾ではないことを確認したり、ブロワーを触ったりした。

旧ソ連でブロワーを警察や警備員に見られると必ず手榴弾だと思われる。信じられないかもしれないがこれはガチで100%

-X

 

疑いは晴れて終了。

僕がタリバンなら、飛行機爆破するなら787 とかA380など大型機にする。学校の1クラスより多く乗れるのかすら怪しいAn24をわざわざ爆破したりはしない。

 

トルキスタン→カラガンダを乗るカザフスタン人以外は目立つので、目立つだけで疑念の対象になるのだろう。2度も疑われた(ソ連だな)

 

搭乗開始

 

沖止め

UP-AN417

Nov 1974 , 48years

48年前の電車に乗ることはあっても48年前の飛行機に乗ることは普段無いだろう!

 

FR24でこの機種を検索するとN/A だらけで断片的に飛行ルートが見れる。

実際は、Southern Sky公式サイトの通り運行している。

 

 

оңтүстік аспаны

キリル文字だがカザフ語なので判読不能だったが

「南の空」

と言う意味で航空会社の名前が書いてあるだけだ。ナザルバエフ万歳 でなくて良かった。

 

 

機体を前側から撮りたかったので、2人いる職員に聞いてみたがガタイのいいカザフ人男はダメだといった。プロペラがあるし安全的にも厳しいよな。

代わりにSCAT美女に頼んだら撮らせてくれた。

職員はSCATだ。FR-24には Operator は SCATと書かれている通りである。

 

 

機内

 

 

中の様子

天井が鏡になっている。陳腐な言葉だが、レトロだ。

4*12列である

 

伝説的な飛行機

 

上の写真に写っているSCATの職員が、カラガンダ到着時機内を撮っていたら話しかけてきた。

AN24はLegendary な飛行機らしい。信頼性が最も高いそうだ。確かに48年も飛んでるしな。

彼にもインスタで写真を送った。

 

搭乗時、最後に乗ったので本来僕の席である窓側に人が座っていたが、その彼がどかしてくれた。文明度が高くて優しい。

 

前に倒れる椅子

有名なやつだ!

 

窓が完全な円であり特徴的。

 

 

振動 頭痛 

 

AN24、気圧をちゃんと調節してるのか疑いたくなるくらい頭が痛いのだ。振動が凄まじい。まるで空飛ぶバイブレーターの中に入った小人みたいに(村上春樹風)。

壁が冷たかったり熱かったり変化する。この飛行機は一体大丈夫なのだろうか。

 

当時のツイート

 

“うわあああ窓が変な場所にあるためオワタ “-X

(窓が無い微妙な席だった)

 

“やべーよan24 外と気圧変わらないんじゃねーかってくらい頭痛いし、壁は冷たかったと思えば途中から熱くなったし、 何より振動がヤバい。空飛ぶバイブレーター。”

-X

 

“今日は食費ケチってあまり食べなかったのが功を奏した。
an24乗る前は本当にドカ食いはしないほうがいい 
下手したら吐くぜ(まぁカザフ人で振動で吐いてた人いないからワイが軟弱なだけかもだが) “-X

 

飛行スピード

 

GPSで測ると397km/h程度だ。

高度もそんなにないらしく地上の景色は見えるのだが、振動、謎の機内の暑さ(本当に暑いのか体感温度なのか?)、頭痛で、見れるには見れるがあまり楽しめるものではない。

 

避難ガイドは、なんだかユルい絵柄で、ラミネート加工は職員がやりましたというような手作り感がある。

 

 

カラガンダ到着

 

カラガンダ空港で夕日を浴びるAN24

 

強烈な体験だった。

2時間もあんな空飛ぶアナルバイブで、頭痛はするし大変だったけど。

 

空を飛ぶってこんなに大変な事だったのか。

空を飛ぶってこんなに素晴らしい事だったのか。

 

最近の快適な飛行機では飛ぶことが当たり前になりすぎて忘れていた感情を、アントーノフは僕に思い出させた。

 

 

(ポエムの訳:キツすぎる。二度と乗りたくない。 )

 

 

カラガンダ空港

 

カラガンダ空港の奥にはレストランがある。薄暗いが、営業している。

ピロシキ+透明な麺のサラダとコーヒー足して200円だか300円台だった。

カザフスタンの空港では資本主義が導入されていないような価格設定のレストランがたまにある。ぜひ立ち寄って欲しい。

 

 

 

結論:ANはアナルバイブのAN。

 

 

 

Southern Sky ルート

 

  • アルマトイ – バルハシ
  • アルマトイ – Урджар
  • アスタナ – バルハシ
  • カラガンダ – ジェズカズガン
  • カラガンダ – トルキスタン
  • カラガンダ – ウスチカメノゴルスク
  • ウスチカメノゴルスク – Зайсан
  • セメイ – Урджар

 

(筆者が調べた限り,2023.08)

 

おすすめ記事

 

当該区間の逆 カラガンダ→トルキスタン をSCATで飛んだ時の搭乗記

SCAT搭乗記 カラガンダ トルキスタン 2022 カザフスタン

 

 

 

 

 

 

これも読んでみませんか